第123回
個人旅行の解禁がブランド製品需要を押し上げ
『米蘭站』(01150)の業績アップを支えているのは
主に中国からの観光客で、
近年は個人旅行が解禁されたこともあり、
傘下の店舗は連日、大盛況。
2010年における1店舗当たりの平均売上高は
5216万香港ドルで、前年比24.2%の増。
過去3年間の収益の伸び率は平均15.1%で、
これに対して店舗の賃料の伸び率は10%となっています。
店舗の賃料が同社の収益に占める割合は5.7%とされます。
日本でもそうですが、
正規店には今年のモデルしかないのに対し、
同社の店舗は新古品までカバーするため、
マニアやコレクターの好奇心をくすぐる面もあります。
また、香港はもともとブランド品が比較的安価な土地柄なため、
中古品になると値段もグッと安くなる。
この辺が中国からの観光客を引きつける
要因となっているようでうす。
同社の製品別の購入者層をみると、新品及び新古品の場合、
中国の中産階級や富裕層がほとんどを占め、
中古品の場合、約70%を流行に敏感な
ホワイトカラー層が占めています。
グローバル・マーケティング・リサーチ会社の
『Synovate』のデータによると、2010年における
香港及び中国の高級ブランド・バックの販売額は
138億香港ドル、90億4800万元。
2006−10年におけるにおける平均伸び率は
21.3%、31%にも達していますが、
『Synovate』の予測によると、11−14年にかけても、
その販売額は平均20%以上のペースで増加するとされます。
こうした追い風を受けて、
同社は中国市場のさらなる開拓に着手。
香港上場で調達した1億6300万香港ドル
(オーバーアロットメントオプション分の
3850万香港ドルは含まず)は
主に新規店舗(11店)の出店費用に充てられる見通しです。
中国人の高級ブランド製品に対する支出額の推移
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