中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第124回
中国で新しいビジネススタイルが浸透すれば

『米蘭站』(01150)の2010年利益は
前年比27.9%増の5431万香港ドルに達しています。
今年の業績に関しては、収益予想が示されていないため、
具体的な数字を予想することは難しいですが、
地元香港の証券会社は以下のような見解から、
今後の収益拡大余地は大きいとしています。

(1)中国の高級ブランド市場は発展段階にあるものの、
「手持ちの中古品を売却して、新製品を購入する」
といった概念が浸透すれば、さらなる需要拡大の余地が生まれる。

(2)近年の経済成長にともなう所得水準の向上により、
中国でも高級ブランド製品をプレゼントする習慣が
広がりつつあるが、品物の重複やニーズとの不一致により、
未使用のままタンスなどに仕舞われるケースが増えている。
同社の買取システムはこうした未使用ブランド製品を
取り込む能力がある。

(3)中国において新品のブランド製品を購入する際に
かかる増値税(付加価値税の一種)は17%であるのに対して、
中古品のそれは2%と低いため、
両者の販売価格はより開く傾向に。
これは流行に敏感な若年層を取り込むうえで大きな武器となる。

同社は今年の5月23日に香港市場に上場しましたが、
香港の住人なら誰でも知っているその知名度の高さから、
IPO応募倍率は2100倍超に達する高人気に。
上場初日の終値も公募価格の1.67香港ドルから
65.9%高となる2.96香港ドルを付けるなど、
派手なデビューを飾りましたが、
幸い(?)にも最近の相場は軟調傾向が続いていますので、
これから発表される決算内容などを吟味しながら、
「押し目」の好機を探るのも面白いかもしれません。

前述の通り、同社のビジネスモデルはユニークで、
拡大傾向にある中国の高級ブランド市場の潮流にうまく乗れれば、
その業績も大きく拡大する可能性があるためです。


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2011年10月28日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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