第126回
スキンケア製品の売上高総利益率は42%
『青蛙王子』(01259)の過去3年の業績推移をみると、
売上高は2008年の4億700万元から
10年の8億4000万元へ、年率33%のペースで増加。
同期間の純利益も7220万元から1億4000万元へ、
平均41.5%の成長をみせています。
主力ブランドである「青蛙王子」製品の販売額が
平均34.4%伸びたことが主に寄与したかたち。
先の今年の中間決算では
前年同期比71.2%の増益を計上していますが、
以下の要因から、同社の収益は
今後も年間15−18%のペースで増加するとされます。
(1)新工場稼働による生産効率のアップ:
2010年末時点における「青蛙王子」「双飛剣」「深呼吸」、
及びOEM製品の売上構成比は69%、19.7%、1.8%、9.5%。
また、スキンケア、ボディソープ・シャンプーの年間生産量は
それぞれ4802トン、7882トンで、
生産ラインの稼働率は106.8%、118.2%にも達しているため、
日焼け止め、口腔ケア、オムツ、消臭剤、殺虫剤などの
生産を外部に委託しているが、
今年5月に完成した新工場が正式稼働するのを待って、
同社はスキンケア製品の生産を自社に切り替え。
生産効率のアップにともなう粗利益率の向上が期待される。
(2)安定した販売価格と売上高総利益率:
前述の通り同社は173のディストリビュータを通じて
製品を販売しているが、
卸売価格は統一されているため、安定した収益が望める。
スキンケア製品を例にとると、1瓶当たりの同社の収益は
3.71元で、売上高総利益率は約42%と高い。
また、同製品の小売価格は9元となっているため、
ディストリビュータへのディスカウント率はおおよそ58%となり、
利幅が大きいため、ディストリビュータの儲けも大きくなる。
上場幹事を務めた『建設銀行国際』の予測によると、
同社の今年の純利益は2010年比ベースで
約50%増の2億1760万元に達する見込み。
また、現在の株価から算出される
11年のPBR(株価純資産倍率)は
1倍以下と、『博士娃』(01698)、『好孩子』(01086)など、
同業他社を大きく下回っています。
紙やビニールといった製品の包装コストは
販売コストの22%を占めるため、
原油やパルプ価格の動向には注意が必要で、
業界内の競争も激しいものがありますが、
抜群のブランド知名度を持つ同社の収益は
基本的に需要拡大にリンクするかたちで増大していきそうです。
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