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         第128回 
          ハイエンド市場にターゲットを絞る『西蔵5100』 
        ミネラルウォーターの大手 
          『西蔵5100』(01115)のここ数年の業績をみると、 
          急速に利益を伸ばしてきています。 
          2010年の売上高は、前年比67.1%増の3億6053万元。 
          純利益に至っては、 同142.9増の1億1521万元と急増しています。 
        同社のミネラルウォーターの販売額は 
          08年の3万4417万トンから、10年には8万1576トンへ急増。 
          また、ペットボトルなどの原材料コストが 
          80.9%から70.4%へ低下したことを受け、 
          営業利益率も15.1%から25.4%に改善しています。 
          生産能力の拡大にともなう 
          スケールメリットの向上の恩恵を素直に反映したかたちです。 
        2010年における中国のペットボトル入り飲料水 
          (ミネラルウォーターやピュアウォーターなど含む)の 
          売上高と販売量はそれぞれ621億元、246億リットル。 
          05年からの平均成長率は11.1%、9.7%となっていますが、 
          1人当たりの関係支出額はわずか5.7米ドルと、 
          アメリカの120.6米ドルはもちろん、 
          世界平均の23.8米ドルも大きく下回っているのが現状。 
          今後の市場拡大余地は大きいとされます。 
        わけても大きな伸びが期待されるのが、 
          同社が主要マーケットとしているハイエンド市場で、 
          その売上高は2005年の19億8800万元から、 
          10年に52億800万元へ拡大。 
          年間の平均成長率は21.2%にも達していますが、 
          経済成長にともなう所得水準の向上、都市化の加速、 
          食品に対する安全志向の高まりなどを受けて、 
          14年までそのマーケット規模は 
          平均20.7%ペースで拡大するとされます。 
        ロー・ミドルのミネラルウォーターの小売価格が 
          1.9元(1リットル当たり、以下同)にとどまっているのに対し、 
          ハイエンドの小売価格は18.2元にも達しており、 
          その利潤率も6−7倍高いものがあります。 
        ハイエンドのミネラルウォーターの販売量は 
          全体の7.9%に過ぎませんが、 
          売上ベースでみると全体の45.3%を占めています。 
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