中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第129回
好景気をフル享受する『西蔵5100』の事業計画

こうした業界の好景気をフルに享受すべく、
『西蔵5100』(01115)は次のような事業計画を立てています。

(1)主要顧客の拡大:
同社の最大の顧客は、
中国の『JR』ともいうべき『中鉄快運』で、
その売上高は80%に達していますが、
2005−09年の投資総額が6000億元に達するなど、
中央政府の肝いりにより、
鉄道網の拡充が図られていることは朗報。
同社はすでに拡大する需要を見越して、
『中鉄快運』へ年間7.5万トンの
ミネラルウォーターを供給する契約を結んでいます。

また、『中国国際航空』(00753)、
『中油碧辟合資公司』、『中国郵政局』などとも
販売契約を結んだほか、
『建銀国際』『工銀国際』などと「グルーポン」
(グループ“group”とクーポン“coupon”を掛け合わせた造語。
一定数の購入希望者を集めれば
商品を安価に購入できるという共同購入システム)
に関して戦略パートナーシップを締結しました。

(2)「ウォーターカード」の導入:
同社は同業他社に先駆けて
「ウォーターカード」(特別自動給水カード)を導入。
同カードを持った消費者は
同社の小売店で製品を購入できるほか、
『中鉄快運』の物流システムを利用して、
宅配サービスなどを受けられるため、
末端顧客需要のさらなる掘り起こしが期待されている。

(3)生産能力の拡大と高付加価値製品の開発:
同社は香港上場により調達した資金を用いて、
生産能力を35万5000万トン
(2010年末比でプラス20万トン)まで拡充するとともに、
最高級製品としてガラス瓶入りミネラルウォーターの製造
(年間生産能力10万トン)を開始する計画。
洗練されたボトル・デザインを採用することで付加価値を高め、
他社製品との差別化を進める見通し。

(4)コスト削減策の推進:
同社は生産コストの軽減を目指して、
2010年からペットボトルを完全自社生産に切り替え。
また、最大の顧客にして輸送サービスも担っている
『中鉄快運』と長期契約を結び、
1トン当たりの輸送コストを1000元前後に抑えている。

先に発表された中間決算における純利益は
前年同期比ベースで2.3倍の1億5000万元に達するなど、
足元の業績は好調。
会社側の発表によると2011年の純利益は
3億7050万元以上に達するとされます。

昨今の軟調相場に押され、同銘柄の株価は上場以来、
右肩下がりに推移していますが、
高い知名度を背景に今後の成長が期待される銘柄ですので、
株価の推移を見守りながら投資の好機をうかがいたいところです。


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2011年11月14日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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