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         第134回 
          マカオの市場規模はラスベガスの4倍 
        今回も各セクターの動向をチェックしていきましょう。 
          取り上げたのは「カジノセクター」です。 
        同セクターの見通しは引き続き良好といえそうです。 
          2010年のマカオのカジノ収入は 
          前年同期比58%の増の1883億パカタ。 
          中国政府が2003年にマカオへの個人旅行を 
          段階的に解禁し始めてから、 
          中国人観光客のマカオ旅行の人気が沸騰。 
          本来バクチ好きの中国人が自由にカジノで遊べるようになったため、 
          大量のチャイナマネーが流入。 
          現在はGDPの6割をカジノ産業が占めるまでになっています。 
        金融引き締めやインフレといったネガティブ要素もあるものの、 
          マカオを訪れる観光客数は右肩上がりに推移。 
          11年のカジノ収入は20%前後の増加が予想されますが、 
          各カジノ企業の収益の柱はこれまでのVIPルームから、 
          一般顧客向けのマスマーケットが中心となるでしょう。 
        マカオのカジノの市場規模は現在、 
          ラスベガスの4倍、300億米ドルにも達していますが、 
          マスマーケットの規模はラスベガスの7分の1にとどまっています。 
          今年1月に開通した広州と珠海を結ぶ高速鉄道も 
          般顧客の増加に拍車をかけるでしょう。 
          現在、同地域を訪れる中国人の約7割を 
          広東省や広州市からの観光客が占めていますが、 
          同鉄道の開通によりマカオへの玄関口である 
          拱北までのアクセスが容易になるためです。 
        このセクターの関連銘柄の過去1年間の値動きは 
          ハンセン指数をやや上回っているため、 
          短期的な下振れリスクはありますが、 
          観光客数の増加にともない、 
          カジノ業界の収益が拡大する余地はまだありそうです。 
          2009−12年におけるEPS(1株当たり利益)の 
          平均伸び率が67%に達すると予想される業界トップの 
          『マカオ博彩』(00880)、 
          今年の第3四半期にかけて新カジノが開業する 
          『金沙中国』(01928)などに注目です。 
        (次回へ続く) 
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