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         第137回 
          「風力発電発展ロードマップ2050」が正式に発表 
        セクター評価、 今回は「発電設備」に着目してみました。 
           
          今年10月におけるこのセクターの平均パフォーマンスは 
          市場平均を8.63%上回りました。 
           
          この原因は、 
          (1)今年の第3四半期決算が軒並み堅調だったこと、 
          (2)中央政府から 
          「中国風力発電発展ロードマップ2050」が正式に発表され、 
          風力発電の発展を加速することが確認されたこと、 
          などが挙げられます。 
        『東方電気』(01072)と『上海電気』(02727)の 
          第3四半期決算をみると、 
          国内外の需要が回復傾向にあることがうかがえます。 
           
          また、中国のエネルギー主管部門である国家発展改革委員会と 
          国際エネルギー機関(IEA)が共同でまとめた 
          「中国風力発電発展ロードマップ2050」では 
          今後12兆元を投入し、2050年末までに 
          中国の風力発電の設備容量を段階的に19億KWまで拡大、 
          電力生産に占める風力発電の比率を現在の1%から 
          17%に引き上げることが計画されています。 
           
          風力発電は「十二五計画」 
          (第12次5カ年計画、2011−2015年)においても、 
          風力などの新エネルギー産業が 
          「戦略的新興産業」の1つとして指定されているため、 
          設備メーカーは恩恵を受けそうです。 
        <参考銘柄> 
           
          ■『東方電気』(01072): 
          四川省の徳陽市に本拠を置く重電メーカーです。 
        水力発電設備、蒸気タービン(火力)発電機、交流・直流発電機、 
          制御設備などを製造・販売しています。 
          中国会計基準(未監査)による今年の1−9月期決算では 
          前年同期比33.3%の増益(純利益22億8000万元)を計上。 
          売上高は同15.9%増の301億元。 
          EPS(1株当たり利益)が1.140元となりました。 
          制御設備などの販売が好調に推移し、 
          トータルの売上高総利益率が1.93%増の 
          20.49%に向上したことが主に寄与しました。 
        第3四半期の新規受注額126億元は前年同期比23%のダウン。 
          1−9月期のそれも同9%減の365億元。 
          内訳は天然ガスを用いたクリーンエネルギーが56%、 
          風力など新エネルギーが8%、水力が4%、 
          アフターサービスが32%となっており、 
          国内の需要増を受けて、クリーンエネルギー関連が伸びたほか、 
          海外向けの輸出も増加傾向にあります。 
          9月末時点におけるトータルの受注残1580億元は 
          今年の予想売上高の3.6倍に相当するため、 
          今後の業績はある程度、保証されているといえます。 
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