中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第145回
高い売上高総利益率を誇る『天福茗茶』

『天福茗茶』(06868)の足元の業績は
堅調に右肩上がりに推移。
2008-10年の売上高は5億7100万元から
12億5000万元へ平均47.8%のペースで増加。
純利益も1億900万元から2億2300万元へ、
年間の平均増加率は42.9%にも達しています。

同社は現在、福建省と四川省に生産工場を保有。
中国茶と関連食品の生産能力はそれぞれ4500万トン、
5000万トンに達していますが、
直営店では中間業者を除いた直売方式を採用していることもあり、
売上高総利益率は63.4%、59.0%の高水準を維持。
また、同社の製品小売価格は全国で統一されており、
フランチャイズ店にはここから
40-60%ディスカウントされた価格で提供しているため、
フランチャイズ店の単位当たり利益も
20万9000元と安定しています。

同社は今年の9月26日に香港市場へ上場。
IPOに際しては1株当たり5.80香港ドルの公募価格で、
2億860万株の新株を売り出し。
ブックビルディング前に行った機関投資家向けのプレースメントで
米投資会社『ゼネラル・アトランティック』が
7300万株を購入しています。
IPOによる調達資金の14億1900万香港ドルは
主に販売網の拡充、自社製品の宣伝広告、
同業他社の買収などの充てられる予定です。

主幹事を務める『クレディスイス』によると、
2011年の同社の純利益は
前年比30%の2億9080万香港ドルに達する見通しですが、
(1)香港市場に類似する銘柄が少ないこと、
(2)公募価格の5.80香港ドルから計算される
予想PER(株価収益率)は約20倍と、
他の台湾系の食品メーカーの平均(約30倍)より低いこと、
(3)高いブランド知名度を誇ること、などを理由に
『広東証券』『KGI証券』『サンフンカイ証券』など、
地元証券は軒並み「認購」(IPOでの買い)を推奨していました。

昨今の軟調相場に押され、
上場後の株価パフォーマンスは幸い(?)にも
パッとしませんので、興味のある方は
じっくり株価の推移を見守ってみてはどうでしょうか。


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2012年1月9日(月)

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