中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第147回
競争の激しい女性シューズ業界

女性用靴メーカー『鴻国国際』(01028)
2008-10年における売上高と純利益の伸び率は
それぞれ14.7%、16.9%に達していますが、
今後も以下の要因からその業績は順調に拡大するとされます。

1.販売網の拡充:
2011年3月末時点で、同社は1359店
(内訳は直営店が1015店、
百貨店、スーパーなどの店舗が344店)を展開しているが、
IPOによる調達資金を用い、
11-13年にかけて300-445店舗を増設。
また、同業他社のM&Aやネット販売の拡充にも注力していく。

2.生産能力のアップ:
同社は南京、東莞、雎寧に計2本の生産ラインを持っており、
2011年3月末時点の年間生産能力は
540万足に達しているが、雎寧工場の拡充を通じて、
13年末までにさらに450万足の生産設備を整える計画をもっている。

3.売上高総利益率の向上:
同社の売上高総利益率は2008年の54.08%から、
11年Q1(第1四半期)には62.14%にまで向上しているが、
生産効率の改善や「千百度」「伊伴」など
主要ブランド製品の販売価格の引き上げなどを通じて、
さらなるアップを図る見通し。

同社の経営陣によると、今年の純利益は少なくとも
2億8700万元(前年同期比69%増)に達する見込みですが、
公募価格の2.30香港ドルから計算される
予想PER(株価収益率)は約16倍と、
同業他社に比べて特別に割安という水準ではないので、
すぐに「買い」とはいえません。

中国の女性用シューズ業界は競争が激しく、
「範欧納」「太陽舞」などの
主要ブランド以外の知名度を向上させるには
一定の時間が必要でしょうが、
シェアトップを誇る『百麗国際』(01880)の牙城を
どれほど崩せるのか、
今後の業績や株価の推移を見守りたいところです。


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2012年1月16日(月)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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