中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第150回
どちらの投資妙味が高いか?

金属リサイクルの関連銘柄の
『中国再生金属』(00773)
『斉合天地』(00976)
では、どちらの銘柄の投資妙味が高いのか?

難しい問題ですが、まず、株価水準からいえば、
2011年の予想PER(株価収益率)は
『中国再生金属』が約8倍、『斉合天地』が6倍と、
どちらも世界平均の13倍を下回っており、割安感は強いですね。

業績の安定感からすれば
やはり『中国再生金属』に軍配が上がりそうです。
過去の収益はほぼ倍々ゲームで増加。
最近、発表された中間決算では
前年同期比148.4%の増益(純利益10億4300万元)を
計上していますし、毎年、しっかり配当も出しています。

同社は同業他社の買収や合資会社の設立などを通じて、
業容を急拡大しており、通年の分離回収能力は500万トン、
これにリンクするかたちで販売量も40%以上の増加。
スケールメリットの向上により、
売上高総利益率も6%を維持するとみられます。
同社の経営陣は今後、華南エリアの開拓に注力し、
市場シェアを7−8%まで拡大するとしています。
2010-13年のEPS(1株当たり利益)成長率が
平均40.07%に達すると予想されます。

一方、『斉合天地』は2009年に黒字転換したばかりで、
その収益は浮き沈みがまだ激しい傾向にあります。
先の中間決算では銅を中心とする非鉄金属の値上がりや
生産能力の拡充にともない前年同期比97%の増益となりました。
通年の純利益は10年比56.4%増の
5億5188万香港ドルが予想されますが、
同社の業績が飛躍するのは
北京や天津の加工工場が本格稼働する12年以降になりそうです。

これまで申し上げたように、
国策に沿ったこの業界の先行きは明るく、
この2社の収益もこれから大きく伸長していくことが期待されますが、
急拡大する業容にリンクするように資金需要も旺盛ですから、
増資などの頻度も高くなりそうです。

決算内容だけでなく、関連情報の収集を怠らないように
長期スパンでうまく下値を抑えてください。


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2012年1月27日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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