第151回
ラグジュアリー関連に関する一考
今回はこのコラムの読者にも人気の高い、
ラグジュアリー関連について考えてみましょう。
1995−2000年にかけて、
全世界のラグジュアリー製品の市場規模は
平均11%のペースで拡大。
その後、リーマンショックなどの金融危機の影響を受け、
2009年にはマイナス成長となりましたが、
2010年にはふたたび拡大基調に回帰。
『Altagamma』の予測によると、2009−14年にかけて
全世界のラグジュアリー製品の市場規模は
平均7%の成長を遂げるとされますが、
その原動力となるアジアの伸び率は10-11%。
とりわけ中国は15-20%と、
他国を大きく上回る高成長が予想されています。
現在、ラグジュアリー市場の中心はヨーロッパとアメリカで、
その合計の販売シェアは約60%にも達しており、
日本(シェア約10%)を除く、
アジアのそれは15%前後にとどまっているため、
今後の拡大余地は大きいですね。
金融危機からいち早く経済のV字回復を果たした
中国の市場規模は
ここ数年25-30%の速度で拡大しています。
昨年6月に『サムソナイト』(01910)、
『プラダ』(01913)が相次いで香港に上場したのは
記憶に新しいところですが、
これらの企業の狙いは中国での知名度アップで、
大手ブランドもいまや日本ではなく、
中国を主要ターゲットにしています。
中国の消費が有望なのは何もブランド品だけではありません。
13億人を超える巨大な人口、世界第2位の経済規模、
高い経済成長率、所得の増加など、
あらゆる産業で世界中の企業が、
中国を有望市場としてとらえているのです。
外資企業の香港上場で最も成功したのは
『L‘OCCITANE』(00973)でしょう。
フランスの大手コスメティックブランドで、
フェイスケア製品など提供している同社の株価は
2010年5月17日以来、好調な業績を背景に堅調に推移。
最安値(13.80香港ドル)からの
最高値(24.45香港ドル)までの上昇率は、
実に77%に達しました。
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