中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第152回
金装飾品、宝石の販売の大手『六福集団』

現在、香港に上場しているラグジュアリー関連株
2012年の予想PER(株価収益率)は約16倍と、
市場平均の12倍に比べて高いため、
短期的には売り圧力が高くなりそうですが、
それでも『LVMH』(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)など、
NY市場のラグジュアリー銘柄の平均PER約21倍と比べれば、
香港銘柄の株価水準は低いため、
昨今の軟調相場を利用して、安値拾いに徹すれば
中・長期的には大きなリターンが望めるのではないでしょうか。

ラグジュアリー関連株のなかで、
個人的に注目しているのはものの1つ目は
『六福集団』(00590)です。
同社は金装飾品、宝石の販売の大手で、
香港、中国、マカオなどで宝飾品の卸、販売を手掛けるほか、
広東省に加工工場も保有しています。
今年9月末時点における傘下店舗数は780に達しています。

経済成長にともなう中国人の購買能力の向上などを受け、
香港、中国の傘下店舗の売上が
それぞれ68.6%、56.1%アップしたことが寄与し、
今年1−9月期決算における純利益は
前年同期比12%増の7億2000万香港ドルを計上しています。
昨今の金融危機の影響もあり、中国人の金保有量はうなぎ登り。
今年上半期における金や宝飾製品の小売総額は
前年同期比54.3%増の917億6000万元にも達していますが、
同社の業績はこうした追い風をフルに享受したかたちです。

同社の主要顧客は中国の富裕層で、
2010年末の時点で、中国には
1000万元(約1億4000万円)超の資産を持つ個人が
82万5000人、
1億元(約14億元)以上の資産を持つ個人は
5万1000人を数えるとされますが、
経済成長にともない、その数は今後も増加する傾向に。
こうしたなか、高級ジュエリーといった
ラグジュアリー製品の需要が急増しています。

また、同社は昨年12月に『先旧後新』方式の増資を行い、
11億3400万香港ドルを調達。
これは香港、中国本土における
新店舗の開設(12-15店)に充てられる見通しで、
これにより売上高は2012年が30%以上、
13年も15-20%の増加が予想されます。

2012-14年における同社のEPS(1株当たり利益)は
それぞれ2.20香港ドル、2.64香港ドル、3.18香港ドル
に達する見通しですが、
現状の株価から計算される
PER(株価収益率)は13.6倍と過熱感はありません。


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2012年2月3日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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