中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第155回
マスマーケットの市場規模はラスベガスの7分の1

昨年6月末時点における
『金沙中国』(01928)のホテルの客室数は
3489室で、シェア1位となっていますが、
現在、進められているコタイ地区の第5、6区の開発が
順調に行けば、今後2年間にさらに5800室が追加される予定です。
ホテルの運営は「シェラトン」や「シャングリラ」が当たります。

また、同社の親会社は『ラスベガスサンズ』で
カジノ以外のエンターテイメント施設などについても
豊富なノウハウを持っていますのも強みです。
集客増につながると期待されています。

同社の経営陣はこれから2年間でカジノテーブル数を
それぞれ200卓ずつ増加するとしていますが、
これだと2013年末までカジノテーブル数を5500卓に制限する、
というマカオ政府の規定をオーバーしてしまいますので、
実際には採算の悪いカジノのテーブル数を調整し、
効率アップを図るとみられます。

フィリピン、マレーシア、韓国に加え、
最近はシンガポールもカジノ解禁。
アジア圏における競争がさらに激しくなるという見方もありますが、
飛行機で2時間の商業圏内に11億人の人口を有するなど、
地理的条件に恵まれたマカオの潜在能力は
他国より大きなものがあるため、
今後も隣接する中国、香港を中心に
来訪者数は右肩あがりに推移すると予想されます。

また、同社の強みとして、
一般顧客向けのマスマーケット市場に強い、
ということが挙げられます。
前回、申し上げた通り、マカオのカジノ収入は
ラスベガスの4倍、300億米ドルにも達していますが、
マスマーケットの市場規模は
ラスベガスの7分の1にとどまっており、
今後の市場の拡大余地は膨大です。

中価格帯の一般カジノの売上高が
同社の全体に占める割合は53.8%と、
『マカオ博彩』の29.99%、『永利澳門』の15.72%より
ずば抜けて高い水準にあります。


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2012年2月13日(月)

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