中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第156回
株価水準はほかのカジノ関連より高いが

経済成長にともなう可処分所得の増加などを受けて、
中国ではいま中間所得層が爆発的な勢いで増えているため、
カジノのマスマーケットの規模は
今後もますます大きくなるでしょう。

昨年1月に開通した広州と珠海を結ぶ高速鉄道も
こうした一般顧客の増加に拍車をかける一因です。

現在、マカオを訪れる中国人の約7割を
広東省や広州市からの観光客が占めていますが、
同鉄道の開通によりマカオへの玄関口である拱北までのアクセスが
容易になるためです。

『金沙中国』(01928)の業績についてですが、
カジノ、ホテル、ショッピングセンター、MICE施設の収益が
それぞれ17.8%、28.4%、26.6%、50.1%伸びたことから、
先の中間決算における中核事業の純利益は
前年同期比19.2%となりました。

「ベネチアン・マカオ」「サンス・マカオ」「プラザ・マカオ」の
EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、
および減価償却費を加算した値)も
34.3%、24.6%、81.1%と順調に伸びています。

金融引き締め策の影響によるVIPルームの売上減などが
予想されるため、短期的な業績は落ち込む場面もありそうですが、
同社はこれを見越してマスマーケットの拡充に着手。
コタイで建設中のプロジェクトは
今年の第1四半期に開業する予定で、
今後の業績に中長期的に寄与しそうです。

2011-12年におけるEPS(1株当たり利益)伸び率は、
それぞれ44.93%、25.00%を予想。
現在の株価は11年の予想PER(株価収益率)で約23倍と、
業界平均を上回っていますが、
今後の収益の伸びには大きなものがありそうです。

『金沙中国』のHP
http://www.sandschinaltd.com/sands/en/home

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2012年2月17日(金)

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