中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第158回
『動感集団』の業績を支える要因

昨年9月に上場した、男性用シューズメーカー
『動感集団』(01096)の今後の業績を支える要因として
次のものが挙げられます。

(1)売上高総利益率の向上:
同社の主力製品である「公牛巨人」「金邁王」「駱駝牌」の
収益構成はそれぞれ27.8%、24.2%、18.1%。
ターゲットとする顧客の年齢層は18-55歳で、
製品の価格帯は250-1100元と幅広いが、
売上高総利益率はそれぞれ28.56%、35.43%、28.08%と
比較的高いレベルを維持している。
今後は生産能力の拡充(後述)などにより、
スケールメリットを向上させるとともに、
皮革など原材料コストの圧縮に努め、
売上高総利益率のアップを図る。

(2)安定した代理店網と旗艦店の設立:
2011年5月末時点における 同社の販売拠点は1562カ所
(内訳は販売代理店が992カ所、
百貨店が570カ所)を数えるが、
すべての製品は買取形式で納入されるため、
在庫リスクが少ない。
また、卸売価格は
小売価格から30-40%ディスカウントされているため、
代理店の収益も安定。
2010年における1カ所当たりの平均販売量と
年間収益はそれぞれ1789足、24万4000元に達している。
同社はIPOにより調達した資金の約31%を用いて
25店の旗艦店を設立。
ブランドイメージの向上とともに、さらなる収益増を目指す。

(3)生産能力のアップ:
2011年5月末時点における
同社の年間生産能力は約398万足。
保有する9本の生産ラインの稼働率は80%以上に達しているが、
IPOによる調達資金の約31%を用い
江蘇省に年間生産能力300万足の新工場を建設。
また、既存の生産ライン7を改良することで、
456万足の生産能力を整える。

上場主幹事を務めた『国泰君安(香港)』によると、
2011-12年における同社の純利益は
少なくとも1億1200万元(前年同期比56%の増)、
1億6100万元(前年同期比44%の増)以上となる見込みで、
IPOの公募価格1.20香港ドルから
算出される予想PER(株価収益率)は12倍、8倍と
同業他社に比べ低い水準に。

『ダフネ国際』(00210)『百麗国際』(01880)など、
同セクターの銘柄と比べるとマーケットキャップが小さいものの、
収益の伸びには光るものがあるので、
株価の推移を見定めたいところです。


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2012年2月24日(金)

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