中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第159回
中国で唯一「BMW」を生産する『ブリリアンスチャイナ』

今回は久しぶりに自動車セクターに注目し、
『ブリリアンスチャイナ』(01114)をピックアップしてみました。

今年1月の乗用車(セダン)の販売台数が
前年同期比25.5%減の79万7500台になるなど、
需要の鈍化が鮮明になりつつあるなか、
一人、好調なセールスを続ける同社の秘密を探ってみましょう。

『ブリリアンスチャイナ』は瀋陽を拠点とする自動車メーカーです。
『トヨタ』の技術供与を受けた
「ハイエース」(中国名:金杯海獅)などの
ミニバンを生産していましたが、2003年10月に
独『BMW』と合弁会社『華晨宝馬』(出資比率49%)を設立し、
「3」「5」シリーズなどの生産に乗り出しました。

2010年末時点における「BMW」車の生産台数は
前年同期比57%増の7万台で、総売上の約7割を占めます。
自社生産の高級セダン「中華」は
販売不振から赤字経営が続いていたため、
2009年に事業を親会社に売却しています。
香港上場は1999年10月です。

高級セダン「中華」の売却にともない業績はV字回復へ。
2010年の期末決算では
12億7100万元の純利益を計上し黒字化に成功。
先の11年6月中間期業績では
売上高こそ前年同期比38.1%の減となりましたが、
純利益は84.7%増の9億4100万元に達しました。
減収の主な要因はそれまで計上されていた
部品会社『瀋陽晨発汽車部品』の売上高が
今期から付加価値計上されたこと、
『金杯』のミニバンの販売が不調であったことなど。
一方、大幅増益となったのは、
「BMW」車の販売が急増したためです。

部門別の利益をみると、
合弁会社『華晨宝馬』の利益貢献が8割を占め、
圧倒的に高くなっており、いかに「BMW」が
同社の稼ぎ頭となっていることがうかがえます。

中国では『BMW』のステイタスは高く、
利益率も非常に高くなっています。
1台当たりの販売価格は32万元からで、
営業段階で3万元を超える利益があるため、
持ち株比率から計算すれば
1万5000元の利益が入ることになります。

中国市場における「BMW」の販売台数は
すでに全体の16%を占めるほどになっており、
ドイツの本社にとっても『華晨宝馬』はドル箱になっています。


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2012年2月27日(月)

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