中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第160回
「BMW」を現地生産しているのは同社のみ

中国で「BMW」を現地生産しているのは
いまのところ『ブリリアンスチャイナ』(01114)のみで、
輸入車との競合もほとんどありません。
同社はこうした武器をフルに活用し、
今後も「BMW」を軸に業容の拡大を図る構えです。

現在、挙げられている
『ブリリアンスチャイナ』の事業計画には
以下のようなものがあります。

(1)生産能力の拡大:
現在、「BMW」は
需要に供給量が追いついていない状況が続いているため、
同社は既存工場の拡張に着手。
2012年初めには第1期工事が完了し、
年間生産能力が20万台まで拡大。
その後も旧「中華」の生産プラントを改良し、
2013年には生産能力を30万台に引き上げる。
このところ同社の収益の伸びは目覚ましいものがあるが、
11年上半期の販売台数が
5万5012台に過ぎない点を考慮すれば、
今後の業績はさらに急拡大すると予想される。

(2)新型車の導入:
新工場の立ち上げにともない、
同社は小型SUV(スポーツ用多目的車)である
「X1」の現地生産を開始する予定。
「X1」は1年前から輸入車の販売が行われているが、
すでに10万台を販売するなど好評を博している。
また、2012年7月からは、新型「3シリーズ」の生産もスタート。
商品構成をアップグレードすることで、
さらなるユーザーの獲得を狙う。

(3)国際化比率の向上による利益率のアップ:
現行「3シリーズ」と「5シリーズ」の
国産化比率は約50%となっているが、
これはライバル『アウディ』の60%などと比べると
まだ低い水準にとどまっている。
そこで、同社は瀋陽のパーツ工場の生産能力を拡充し、
国産化比率を2013年末までに55%まで引き上げることを計画。
利益率のアップを図る。

1995−2000年にかけて、
全世界のラグジュアリー製品の市場規模は平均11%のペースで拡大。
その後、リーマンショックなどの金融危機の影響を受け、
2009年にはマイナス成長となりましたが、
2010年にはふたたび拡大基調に回帰。

『Altagamma』の予測によると、2009−2014年にかけて
全世界のラグジュアリー製品の市場規模は
平均7%の成長を遂げるとされますが、
その原動力となるアジアの伸び率は10−11%。
とりわけ中国は15−20%と、
他国を大きく上回る高成長が予想されています。

こうしたことを背景に「BMW」など、
プレミアムブランドカーの需要も伸びているのです。


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2012年3月2日(金)

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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