第162回
中国人が次に購入したいブランド『周大福珠宝』
今回は昨年12月に香港市場に上場した
『周大福珠宝』(01929)を取り上げてみました。
同社は80年以上の歴史を持つ宝飾店チェーン。
不動産開発やホテル経営を行う
『新世界発展』のトップである鄭裕タン氏が経営権を握っています。
取扱商品は金・プラチナなどの装飾品、ジェリー、高級時計などで、
2010年末時点における市場シェアは
香港・マカオが12.6%、中国本土が21.1%でともに1位。
傘下店舗数は年平均179店のペースで増加しており、
昨年9月末時点における店舗数は直営店が1053店、
フランチャイズが453店に達しており、320都市をカバーしています。
中国における同社の知名度は非常に高く、
『Bain & Company』が行ったリサーチによると、
「Tiffany」「Cartier」などとともに、
「Most likely to be the three brands to buy」
(次に購入したいブランド)に選出されています。
経済成長による、可処分所得
(収入(年収)から税金や社会保険料を引いた金額のこと)
の増加に伴い、中国のジュエリー需要は増大の一途。
2010年末におけるその市場規模は302億2000万米ドルと、
米国の600億米ドルに次いで2位にランクされますが、
1人当たりの平均年間消費額ではわずかに19米ドルと、
米国の260米ドルはもちろん、
世界平均43米ドルをも大きく下回っているのが現状。
今後の市場の潜在的ポテンシャルは膨大とされます。
国際的な市場調査及びコンサルティング企業である
『Frost & Sullivan』の予測によると、
中国のジュエリー市場は
今後もGDP成長率を上回るペースで拡大。
15年にかけて平均成長率は38.6%に達し、
15年の市場規模は1兆5480億香港ドルとなり世界1位に。
また、香港・マカオの市場規模も3243億香港ドルまで
拡大するとされます。
こうした中国の躍進を支えているのが近年、
経済成長の目覚ましい2、3線級都市です。
2010年にデータによると、
最も売れ筋とされる2000−10万香港ドルの販売総額は
17714億香港ドル、全体の56.7%を占めますが、
今後もその販売額は39%前後の伸びをみせ、
15年には8916億香港ドルまで拡大するとされます。
(次回につづく)
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