|   第168回 
          『四環医薬』とともに注目したい『国薬控股』 
        このほかでは日本人投資家に人気の高い 
          医薬品関連も有望なセクターです。 
           
          高齢化社会の到来、都市化の加速、経済成長にともなう 
          所得水準の向上、政府の医療保険改革の推進、などにより 
          中国における医薬品需要は拡大の一途です。 
        中国医薬商業教会のデータによると、 
          医薬品の売上高は2005年の3000億元から、 
          2010年には7080億元へ、年平均18.7%のペースで拡大。 
          11−14年にかけても年間19.2%の成長が見込めるとされます。 
           
          また、中国市場の特徴として挙げられるのは 
          産業の集中度が低いということ。 
          例えば現在、中国には 
          1万3000社の医薬品販売会社があるとされますが、 
          トップ3の合計シェアは27%と、 
          アメリカの90%などと比べると非常に低いため、 
          効率化を求めて中央政府も大手を中心とした 
          業界再編を推奨しています。 
        こうした環境下、どういった銘柄を選ぶかということになりますが、 
          このコラムでもご紹介した『四環医薬』(00460)以外では、 
          『国薬控股』(01099)などにも注目です。 
        同社の親会社である『中国医薬集団』は 
          国務院国有資産監督管理委員会(国資委)の直属企業で、 
          政治的バックがあります。 
          『国薬集団』は『国薬股フェン』(600511)、 
          『天壇生物製品』(600161)、『現在製薬』(600420)、 
          『深セン一致薬業』(000028)など、 
          同社を含む5社の上場企業のほか、 
          11社のグループ企業を保有しています。 
        先の2011年中間決算では、 
          政府主導による薬価の引き下げを受け、 
          売上高総利益率こそ8.17%にダウンしましたが、 
          需要増を背景に売上高が48.4%増加したことから、 
          22.9%の増益を計上しました。 
        WHOの統計によると、 
          中国の保険関連商品の支出額はアメリカの16分の1以下。 
          1人当たりの支出額をとってもアメリカの6714米ドルに対し、 
          中国はわずか92米ドルと、その差は明らかで、 
          今後も中国の医薬・保険市場は 
          年20%近い成長を続けるとされます。 
        中国トップの販売会社である同社はこうした恩恵をフルに享受。 
          2009年から11年上半期にかけて、 
          同社は約51億元を投入し、58社を買収しましたが、 
          今後も親会社のナックアップのもと、 
          M&Aを軸に業容を拡大させるとみられます。 
          同銘柄の株価は医薬品関連のなかでは比較的高い水準にありますが、 
          今後の成長性を加味すれば投資価値は高いと思います。 
         
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