中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第172回
『浩沙国際』の収益急拡大の要因と今後の展開

好調なマーケット環境を反映するように、
『浩沙国際』(02200)の業容は拡大路線をひた走っています。

2010年の売上高は前年比118.5%増の3億4779万元。
純利益も同304.7%増の1億1611万元に達しています。
収益急拡大の要因と今後の展開は以下の通りです。

(1)販売網の拡大とコストの削減:
同社は早くから内陸部の2、3線級都市(中型都市)の開拓に尽力。
この地域はここ数年、所得水準の向上などから、
急速に購買力が上がってきている。
同社の製品は29の販売ディーラーを通じて、
904店舗で販売されているが、今年末までに1200店まで増強。

同時に、DRPシステム
(流通資源管理。荷主からの少量発注、
出荷の多頻度化、リ−ドタイムの短縮化の要請により
在庫ゼロを目標とするもので、
流通活動を多段の階層構造を持つネットワ−クとして捉える。
物が流れる際に階層間の在庫を極力無くしつつ
最終需要者からの受注に即応する技法)
などを採用することで、コスト削減を推進。
1線級都市(沿海の大都市)と2、3線級都市の売上構成比を
4対6まで改善したいとしている。

(2)積極的な宣伝活動とブランドイメージの向上:
2010年の宣伝費用920万元は
販売コストの3割以上を占めているほか、
同社は「ミス・アジア」、「ミス・ビキニ・インターナショナル」などの
サポート企業として、製品を提供。
その知名度の高さを買われ、
北京オリンピックの水泳競技の会場となった
国家水泳中心「水立方」(ウォーターキューブ)にも
製品を独占供給している。

(3)高い製品レベル:
同社はイタリア及びフランスのファッションコンサルタントと
提携を結び、マーケティング能力を強化しているほか、
『デュポン社』が開発した
「Lycra」(超ハイテクポリウレタン系繊維。
くもの糸のように細くゴム糸のように伸び縮をするため、
ホールディング性が良く、フィット感に優れる)や
「Coolmax」(乾燥速度がコットンの6倍という
高機能素材。汗を素早く吸収して外に出してくれるので、
汗によるムレやベタつきがなく 、汗冷えによる体力の消耗を防ぐ)
など、新素材を他の国内メーカーに先駆けて採用。
その製品は高い評価を得ている。


(次回につづく)


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2012年4月13日(金

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