中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第174回
中国最大の医薬品販売会社『国薬控股』に再注目

中国の薬品関連に対する日本人投資家の人気は高いようですが、
今回はそのなかから中国最大の薬品販売会社
『国薬控股』(01099)に再度、注目してみました。

同社は中国最大の医薬品販売会社で、主要業務は
(1)病院、ドラッグストアなどへの販売、
(2)ドラッグストアなどを通じた小売、
(3)その他の業務、となっていますが、
売上の90%は(1)が占めます。

2010年の末時点における取扱薬品の種類は3万1500以上。
中国30省に3600カ所を超える販売センターを設立しており、
『浙江英特薬業』『遼寧省医薬対外貿易公司』『哈薬』
『上海市医薬股フェン有限公司』『南京医薬』など
5大取引先を筆頭に、全国7802軒の病院
及び9万2000軒のドラッグストアなどに製品を納入しています。
昨年末時点における市場シェア9.1%はもちろんトップ。
香港上場は2009年9月です。

良好な業界環境が業績を押し上げ
『国薬控股』の売上高は2006年の237億3700万元から
2010年には692億3400万元に拡大、
その年平均の成長率は34.5%にも達していますが、
収益の増加ペースはこれを上回る勢い。
同年間の純利益は1億100万元から12億900万元へ急増。
年平均の伸び率は44.8%となっています。

積極的な販売網の拡充に加え、
売上総利益率も8%台で安定していることなどが寄与。
2011年の純利益は前年比30.5%増の
16億4200万元に拡大すると予想されています。

1.高齢化社会の到来、
2.都市化の加速、
3.経済成長にともなう所得水準の向上、
4.健康志向の高まり、
5.政府の医療保険改革の推進、などにより
  中国における医薬品需要は拡大の一途。

中国医薬商業協会のデータによると、
医薬品の売上高は2005年の3000億元から、
2010年には7080億元へ、
年平均18.7%のペースで拡大。
11−14年にかけても年間19.2%の成長が見込めるとされます。
こうした良好な業界環境が
同社の業績を押し上げているのです。


(次回につづく)


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2012年4月20日(金

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