第181回
通信セクターの収益動向のカギを握る3Gユーザー数
セクター分析の第2弾は「通信セクター」をピックアップし、
直近の経営データやアナリストレポートなどを基に、
業績見通しや適正株価を占ってみました。
中国で「第3世代移動通信規格(3G)」が
2009年に導入されてから3年余。
『チャイナモバイル』(00941)がTD−SCDMA、
『チャイナユニコム』(00762)がW−CDMA、
『チャイナテレコム』(00728)がCDMA2000と、
3社が独自の通信システムを採用したことや
端末機器の多様化などを受け、
この業界の版図は大きく変化しつつあります。
いま、最も勢いのあるキャリアはどこなのでしょうか?
2011年1−10月における中心業界の総売上高は
前年同期比9.9%増の8187億8000万元。
ユーザー数の推移をみると、
固定電話のそれはゆっくりと下降線を描いており、
10月末時点におけるユーザー数は
同4.1%減の2億8800万件。
ただ、ブロードバンドのユーザー数は着実に伸びており、
同23.8%増の1億5300万件となっています。
一方、移動体通信(携帯電話)のユーザー数は
引き続き堅調に増加しており、
10月末時点におけるそれは同14.5%増の
9億6400万人に達しています。
スマートフォンの普及にともない3Gユーザーも
1億1000万人となり、
全体の1割を占めるようになってきています。
今後の展望ですが、
移動体通信は比較的楽観視されています。
中国の携帯電話の普及率はすでに71.1%に達していますが、
スマートフォンの普及率は12%に過ぎないため、
3Gユーザーの伸びは加速。
今年は2億人前後まで増加すると予想されています。
3Gの普及はデータ通信量を飛躍的に増加させるので、
これまで通信キャリアを悩ませてきた
ARPU(1人当たりの平均月額売上高)などの低下にも
一定の歯止めがかると予想されます。
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