|   第182回 
          3Gユーザー数のトップキャリアは? 
        これまで中国の移動通信市場は、 
          『チャイナモバイル』(00941)の一人勝ちでしたが、 
          3Gシステムの稼働以来、その市場シェアは縮小傾向。 
          全ユーザー数をカウントしたトータルの市場シェアは 
          トップを確保していますが、 
          月ごとのユーザー純増数ベースでみると、 
          そのシェアは縮小傾向にあり、反対に 
          『チャイナテレコム』(00728)、『チャイナユニコム』(00762)は 
          右肩上がりに推移しています。 
        わけても3Gユーザー数の伸びが最も目覚ましいのが、 
          『ユニコム』で、同社は最も遅く3G市場に参入しましたが、 
          先進国でも広く採用されているW−CDMAシステムの優位性や、 
          iPhoneといった魅力的な端末機器を武器にユーザーを獲得。 
          2011年9月末におけるユーザー数は3023万人で、 
          『モバイル』の2246万人、 
          『テレコム』の2843万人を抑えトップにつけています。 
        香港に上場する3社のなかでは 
          やはり『テレコム』と『ユニコム』に注目したいところです。 
        『チャイナテレコム』は固定電話の減価償却費の減少や、 
          携帯電話事業の赤字縮小などを受け、 
          今年の純利益が増加に転じる可能性があります。 
          また、『チャイナユニコム』の3G新規ユーザー数は 
          前述の通り順調に増加しており、 
          携帯端末の販売補助金などのコスト軽減がなされれば、 
          収益も上向きそうです。 
          どの銘柄に投資するにせよ、 
          このセクターの投資スパンは中長期なものになりますので、 
          じっくり腰を据えて行ってください。 
        <参考銘柄> 
           
          ■『『チャイナユニコム』(00762): 
          中国第2位の携帯電話キャリア。 
          インターネット事業なども手掛けます。 
          2007年末に親会社から貴州省の資産を買収し、 
          営業エリアを全国に拡大。 
          2008年に『チャイナネットコム』を吸収合併したほか、 
          CDMA業務を『チャイナテレコム』(00728)に売却しました。 
           
          (1)先進国でも採用されているWCDMAシステムは 
          技術的優位性が高く、 
          HSPA(W−CDMAを拡張した高速パケット通信規格) 
          への移行も容易であること、 
          (2)『中興通訊』(00763)の「V880」、 
          『聯想集団』(00920)の「A60」など、 
          低価格のスマートフォンを投入し、 
          さらなるユーザー獲得を図ること、 
          (3)端末の販売ルートを『蘇寧』『国美電器』(00493)など、 
          家電量販店にも広げること、 
           
          などから、今後もユーザー数は順調に増加すると予想されます。 
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