第188回
中国最大の医薬品販売会社『国薬控股』
「医療セクター」の有望銘柄として
今回取り上げる『国薬控股』は、
中国最大の医薬品販売会社です。
主要業務は
1.病院、ドラッグストアなどへの販売、
2.ドラッグストアなどを通じた小売、
3.その他の業務、となっていますが、
売上の90%は1が占めます。
2010年末時点における国内シェアは9.1%でトップ。
香港上場は09年9月です。
(1)中国人の所得水準の向上にともなう
医薬・保険品消費の拡大、
(2)少子高齢化社会の到来や
社会保険の整備加速による需要の増加、
などの追い風に乗り、同社の業績は好調に推移。
先の2011年期末決算では、
政府主導による薬価の引き下げを受け、
売上高総利益率こそ8.17%にダウンしましたが、
需要増を背景に売上高が47.65%増加したことから、
29.1%の増益を計上しました。
WHOの統計によると、中国の保険関連商品の消費額は
アメリカの16分の1以下。
1人当たりの消費額をとってもアメリカの6714米ドルに対し、
中国はわずか92米ドルと、その差は明らかで、
今後も中国の医薬・保険市場は年20%近い成長を継続。
中国トップの販売会社である同社はこうした恩恵をフルに享受。
今後もM&Aを軸に業容を拡大させるとみられます。
同社は2009年から10年にかけ26億8400万元を投入し、
『国薬控股河北』『上海盛泰医療科技』
『南京国盛連鎖薬店』など、31社の権益を買収。
その後、2011年上半期にも
さらに24億9700万元を投入し、27社を買収しましたが、
「国有資産監督管理委員会」(国資委)の直属企業
『中国医薬集団総公司』や、
中国でも指折りの医薬品メーカーで
『復星医薬』(上海A株:600196)などを親会社として持つ同社は
今後も優良資産の買収を加速するとみられます。
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