中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第189回
心臓・脳血管用薬のトップ中国最大の『四環医薬』

医薬セクターの有望株、
今回は『四環医薬』(00460)を取り上げました。

同社は2001年に設立された中国の医薬品メーカー。
とくに心臓・脳血管用の薬物研究開発を得意としています。
製品は2000の卸売業者を経て、
全国31の省・市・自治区の病院、約1万カ所に販売。
主力製品の「克林澳」「安捷利」「川青」の脳血管及び
血管拡張薬市場におけるシェアは17.1%にも達しているほか、
マレイン酸シネパジドを含む製品として中国で唯一、
国家医薬局の批准を獲得しています。

今年3月に発表された2011年決算の業績は
販売シェアの拡大にリンクするように伸長。
純利益は前年同期比57.8%増の8億2000万元に達しました。

売上の80%以上を占める
心臓・脳血管用薬の販売が好調だったほか
『多菲製薬』『聯合製薬』の買収を通じて、
心臓・脳血管疾患の漢方治療薬など、
製品構成の改善を図ったことが収益に寄与。
製品構成や販売ルートの見直しなども奏功し、
売上高総利益率も76.5%に改善しています。
12−13年にかけては「欧迪美」など
心臓・脳血管用新薬が牽引役となり、販売増が期待されます。

(1)高齢化社会の到来にともなう需要増:
現在、中国において65歳以上の高齢者が全人口に占める割合は
すでに8.3%に達していますが、
中国の関係部門が人口構成比などから割り出した予測によると、
今後、65歳以上の構成比は年2.5%以上のペースで増加するのに対し、
人口全体の増加率はこれを下回る見通しで、
20−25年後に中国の人口の老齢化問題は顕著に。
同時に医薬品や医療機器に対する需要が急増するとされます。

(2)膨大な市場開拓余地:
心臓・脳血管用薬の市場における同社のシェアは
7.4%を占めていますが、その比率はまだ低く、
同社を含むトップ5社の合計シェアも26.6%に過ぎないため、
業界再編やM&Aによる今後の市場開拓余地は大きいものがあります。

(3)製品開発能力の高さ:
同社は毎年売上高の10%を
R&D(研究・開発)費用として投入しているほか、
333人もの研究者からなる研究グループを有するため、
その製品開発能力は同業他社に比べて高いレベルにあるとされます。
主力製品の「克林澳」「安捷利」「川青」なども100%自社開発。

これらの要因により、
同社の業績は今後も安定成長が期待されます。
2011−13年におけるEPS(1株当たり利益)伸び率は
それぞれ18.2%、18.8%、25.5%が予想されています。


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2012年6月15日(金

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