中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第194回
メンズウエアの『利郎』とシューズメーカーの『動感集団』

アパレルセクターの参考銘柄としては、
『利郎』(01234)などが挙げられるでしょう。

同社は中国でメンズカジュアルやフォーマルウエアを製造。
社名でもある「利郎(Lilanz)」と
「L2」のブランド名で製品を販売しています。

業績は販売店の増加にリンクするように右肩上がり。
2011年期末決算における純利益は
前年比48.8%増の6億2300万元。
主要製品である「Lilanz」の販売量が15.5%増加したほか、
販売価格が平均で13.6%アップしたことが寄与。
同期の売上高総利益率は1.1%アップの39%でした。

メンズカジュアルやフォーマルウエアは女性物と違い
市場競争がそれほど激しくないことが特徴。
「利郎」の販売店は2011−12年にかけて年200店ずつ増加、
同様に「L2」ブランド店も2年間で280店が拡張される見込み。

経営陣の予想によると、
今年の秋冬物の受注額は在庫率の上昇などから、
20%前後になりそうですが、
原材料価格もこのところ安定していることから、
スケールメリットの向上にともない、
粗利益率も40%前後まで改善することが期待されます。
12−14年のEPS(1株当たり利益)伸び率は
平均17.8%と予想されています。

また、新規銘柄では
『動感集団』(01096)なども面白い存在です。

同社は1995年に設立された男性用シューズメーカー。
「公牛巨人」(BULL TITAN)及び
「金邁王」(JIMAIRE)のブランド名で
男性用カジュアルシューズの生産・販売するほか、
「駱駝牌」(LUOTUOBLAND)、「哥雷夫」(GREIFF)、
「駱駝動感」(CAMEL ACTIVE)などの
OEM製品の生産も手掛けています。
主要製品の小売販売価格はおおよそ250−1100元。
現在の販売拠点は1562カ所を数え、
売上高ベースの市場シェアは約3%です。

経済成長にともなう可処分所得の向上や都市化の加速、
ニーズの多様化などの追い風を受け、
11−15年におけるカジュアルシューズのマーケットの売上高は
平均11.5%の成長を遂げるとされます。
同社はこうしたなか現在、生産能力の拡張に着手。
11年5月末時点における同社の年間生産能力は約398万足で、
保有する9本の生産ラインの稼働率は80%以上に達していますが、
IPOによる調達資金の約31%を用い
江蘇省に年間生産能力300万足の新工場を建設。
また、既存の生産ラインを改良することで、
456万足の生産能力を整える計画です。

先に発表された2011年期末決算では
前年比57.4%の増益(純利益1億1200万元)を計上。
12−13年における純利益の伸びも
平均43.8%に達すると予想されます。


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2012年7月2日(月

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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