|   第195回 
          地理的条件に恵まれたマカオの潜在能力 
           
          好評をいただいているセクター分析。 
          今回はカジノ業界にふたたびスポットを当ててみました。 
        このセクターの見通しは引き続き基本的に良好といえそうです。 
           
          2011年のマカオのカジノ収入は前年比42%増の 
          2678億7000万パカタをマーク。 
          中国経済の成長鈍化といったネガティブ要素があったにもかかわらず、 
          マカオを訪れる観光客数は右肩上がり。 
           
          こうしたことを反映し、 
          『銀河娯楽』(00027)の60%を筆頭に、 
          セクター平均の上昇率はハンセン指数を約15%上回りました。 
        昨今の金融引き締め策の影響などもあり、 
          「そろそろカジノ景気も頭打ちでは?」との観測もあるようですが、 
          中長期的な発展余地はまだまだありそうです。 
        カジノ収入は確かに世界1位になりましたが、 
          マカオを訪れる旅行客の1人当たりの滞在に日数をみると、 
          ラスベガスの3.6日に比べ、 
          マカオは1.5日と短くなっています。 
        この原因としては、宿泊施設のキャパシティが 
          ラスベガスの5分の1程度しかないことや、 
          カジノ以外のレクリエーション施設が少ないことなどが 
          挙げられていますが、これらを解消すれば 
          まだまだ収益を伸ばす余地はありそうです。 
        2011年にマカオを訪れた観光客数は 
          前年比12.16%増の2800万人に達しました。 
          フィリピン、マレーシア、韓国に加え、 
          最近はシンガポールもカジノ解禁。 
           
          アジア圏における競争がさらに激しくなるという見方もありますが、 
          飛行機で2時間の商業圏内に11億人の人口を有するなど、 
          地理的条件に恵まれたマカオの潜在能力は 
          他国より高いものがあり、 
          今後も隣接する中国、香港を中心に 
          来訪者数は右肩上がりに推移すると予想されます。 
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