第196回
マカオのマスマーケットの規模はますます大きく
香港には『マカオ博彩』(00880)のほか、
『永利澳門』(01128)、『銀河娯楽』(00027)、
『新濠国際』(00200)、『MGMチャイナ』(02282)、
『永利マカオ』などのカジノ企業が上場していますが、
注目すべき筆頭は一般顧客向けのマスマーケット市場に強い
『金沙中国』(01928)でしょう。
現在、マカオのカジノ収入はラスベガスの4倍、
300億米ドルにも達していますが、
マスマーケットの市場規模はラスベガスの7分の1にとどまっており、
今後の市場の拡大余地は膨大です。
中価格帯の一般カジノの売上高が
同社の全体に占める割合は53.8%と、
『マカオ博彩』の29.99%、『永利澳門』の15.72%より
ずば抜けて高い水準にあります。
経済成長にともなう可処分所得の増加などを受けて、
中国ではいま中間所得層が爆発的な勢いで増えているため、
マスマーケットの規模は今後もますます大きくなるとみられます。
昨年1月に開通した広州と珠海を結ぶ高速鉄道も
こうした一般顧客の増加に拍車をかける一因です。
現在、同地域を訪れる中国人の約7割を
広東省や広州市からの観光客が占めていますが、
同鉄道の開通により
マカオへの玄関口である拱北までのアクセスが
容易になるためです。
『金沙中国』がコタイ地区で開発中の
Sands Cotai Centralは今年の4月にオープン。
『コンラッド』や『ホリデーイン』がそれぞれ600室、
1200室の高級ホテルを経営するほか、
340卓のカジノテーブル、
1000台以上のスロットマシーンが新たに増設されます。
また、昨年の9月末時点で191億香港ドルの
手持ちキャッシュを有する『マカオ博彩』の配当性向は
50%を超えているので、
長期投資にはうってうけといえそうです。
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