中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第198回
天然ガスがエネルギー消費量に占める割合はわずか4%

セクター分析、今回は天然ガスにスポットを当ててみましょう。

CO2(二酸化炭素)など環境問題が後押しする
中国の天然ガス需要は2000年から右肩上がり。

2011年のトータル消費量は、前年比22.73%増の
1072億立法メートルに達しましたが、
15年には2600億立法メートルまで拡大する見通しです。
中央政府が20年までに、GDPあたりのCO2排出量を
05年比で40−45%削減すると決定したことも、
クリーンエネルギーである天然ガスの需要を決起するでしょう。

全エネルギー消費量に天然ガスが占める割合は、
世界平均が24%に達しているのに対し、
中国は4%と大きく劣っているため、今後の拡大余地は膨大です。

発電事業を例にとれば、天然ガス発電から排出される
二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化硫黄の量は、
火力発電に比べて、それぞれ 57%、79%、99%少ないとされるため
クリーンエネルギーとして、水力、原子力などとともに、
発電機容量の増大が予想されています。

また、販売価格の上昇も
関連企業の収益を押し上げる要因となるでしょう。

昨年12月、国家発展改革委員会(発改委)は
広東省と広西チワン族自治区を対象に
天然ガス価格改革のモデルプランを実施。
同地域における販売価格の上限を
それぞれ液化天然ガス(LNG)の輸入価格を上回る
1000立方メートル当たり、2740元、2570元に設定。

また、天然ガスの価格をその他の石油代替エネルギー価格と連動させ、
ガスパイプライン運営コストなどを考慮するとしたほか、
最終目標として、市場の需給関係に基づく
価格決定メカニズムを構築し、
価格の自由化を目指す方針を示しているため、
今後もその価格は右肩上がりに推移すると予想されます。


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2012年7月16日(月

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