中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第200回
クリーンエネルギーが電設業界の発展の原動力に

連載200回目となる今回は電力設備を取り上げました。

このセクターの見通しは引き続き基本的に良好といえそうです。
電力網(送電網)と電源(発電機)の2011年の投資額は
それぞれ3666億元(前年比7.5%増)、
4000億元(同10%増)に達する見通しですが、
送電効率のアップなどを目的に今年は電力網の拡充が図られ、
その投資額は11年比9%増の4000億元前後まで増加、
電源投資額の伸び率7.5%を上回るとされます。

また、“十二五計画”(第12次5カ年計画/2011−15年)
における電力網に関する投資額は
1兆6000億元とされていますが、
これは今後4年間で毎年3300億元が
投入されることを意味しています。

一方、電源投資に関しては
クリーンエネルギーの需要が増加しそうです。
各分野の見通しは以下の通りです。

原子力発電:
今年3月、温家宝総理は第11期全国人民代表大会(全人代)
第5回会議で発表した「政府活動報告」のなかで、
「エネルギー構造の最適と効率的な利用、
原子力の安全かつ効率的な開発の促進、
積極的な水力発電の開発などを行い、
新エネルギーの消費量が全体に占める割合を向上させる」と宣言。
また、「低炭素エネルギー開発を目的として、
中国は原子力発電の安全かつ効率的な開発に取り組むほか、
海外のウラン資源獲得のために関税の調整なども行う」
としています。

原子力プロジェクトの凍結を近く解除
福島第一原子力発電所の事故を受け、
中国は原子力発電関連プロジェクトの
審査・批准(承認)を凍結してきましたが、
近く解除される見通し。現状では中国の全発電量のうち、
原子力は2%を占めるに過ぎませんが、
2020年までに非化石燃料の比率を
現在の9%から15%に引き上げるという大目標を達成するためには、
日本同様、原子力の推進政策をとらざるを得ないのが実情。
風力のようなクリーンエネルギーも推進されますが、
技術的な難しさなどを考慮すると、
ごく一部の利用にとどまるとされます。
原発の数としては現在13基が稼働していますが、
中期的にはさらに35基が追加される見通し。
この計画ぺースは世界最多で、
沿海部を中心に中国各地に原発ができることになります。

『東方電気』(01072)など、
関連企業に脚光が当たりそうです。

(次回に続く)


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2012年7月23日(月

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