中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第202回
ポリエステル混繊糸の大手『百宏実業』

今回はアパレル関連から
『百宏実業』(02299)に着目してみました。

同社は服、履物、家具などに使われる
ポリエステル混繊糸のメーカーで、
製品は「百宏」及び
「Billon」のブランド名で販売されています。
香港上場は2011年5月です。

先に発表された2011年期末決算における純利益は
前年比102.6%増の9億400万元に達しました。
需要増に加え、利益率の高い特許製品の売上高が
67.1%増加したことが寄与。

同年下半期の平均販売価格(1トン当たり)は
前年同期比26.7%高の1万5293元で、
売上高総利益率は22.3%と上半期の21.4%より改善。
原油価格の値上がりなどがあるものの、
同社の経営陣は今年の売上高総利益率も
同レベルを保つと予想しています。
今後の業績伸長を促進する要素は以下の2点です。

(1)高い技術力に支えられた製品競争能力:
昨年の末時点で同社は中国において30種類の国家特許を取得。
また、2012−13年にかけて
新たに取得した特許を用いた製品を投入することで、
他社製品との差別化を加速。
高い技術力を背景にさらなる顧客の囲い込みを狙う。
11年における同社の製品開発費用は
前年比278.5%増の1億9590万元にも達している。

(2)精査能力のアップ:
昨年末時点における同社のポリエステル加工糸の生産能力は
FDY及びPOYが約47万5000トン、DTYが35万トンとなっているが、
香港上場による調達資金などを用い、13年末までに、
それぞれ78万5000トン、49万3000トンまで拡充する計画。
また、二軸延伸ポリエステル(BOPET)については
19億3700万元を投入し、
今年5月から年間3万6500トンの規模で生産を開始した後、
14年末まで25万5000トンまで拡充する。

製品価格の引き上げ(年3−4%)の効果もあり、
2012−14年における同社の売上高は
それぞれ73億8100万元、103億5400万元、
118億7300万元に達する見通しで、
同年の純利益の伸び率も平均で17.5%と予想されますが、
現在の株価から計算されるPEGレシオ
(予想PER÷今後3年間のEPS成長率)は0.4倍と
かなりの割安な水準にあります。

5%以上に達する高い配当利回りも同銘柄の魅力の1つです。


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2012年7月30日(月

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当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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