中国投資の羅針盤・阿部享士

阿部享士さんがご案内します

第210回
中国の医薬品市場は世界第3位の規模を形成


中国の薬品メーカーの
今後の利益を支える要因は次のものが挙げられます。

@医療保険制度の充実:
現在、中国の基本的医療保険のカバー率は
95%以上(保険加入者数12億9500万人)に達し、
都市部と農村部の住民は基本的な医療保障を享受。

1人当たりの平均医療費も2000年の90元から11年には
200元へ大きく拡大していますが、
今後も公立病院の業績改革などを通じて、
医薬分離を推進し、ジェネリック薬品などを普及。
患者負担のさらなる軽減を図る見通しです。

A高齢化社会の到来:
2011年以降の30年間において、
中国における60歳市以上の人口が全体に占める割合は
年16.5%のペースで増加。

これにともない癌、心臓血管病、糖尿病、
アルツハイマーなどの発病率が上昇すると予想されます。
現在、高齢者向けの薬の売上高は全体の25−40%を占めますが、
高齢化社会の本格到来とともにこの比率はさらに増加。
中長期的な薬品需要を決起すると見られます。

世界の製薬市場の動向をリサーチしている
『IMS Health』の予測によると、
今後5年間、中国医薬品市場は平均24%の成長を遂げ、
2015年末におけるその生産総額は3兆1000億元に達し、
世界第3位の規模を形成するとされます。

『北京同仁堂科技』(01666)の
今後の発展計画は以下の通りです。

(1)販売網の拡充:
親会社のものを含むと同社は
現在、中国全土に1000店の店舗を展開。
うち150店に漢方薬の専門医師を駐在させるなど、
市場開拓に注力していますが、
今後は華南、華東、西北エリアを中心に出店攻勢を加速。
5年をめどに2000店まで拡充することを計画しています。

(2)生産能力の増強:
「感冒清熱顆粒」「六味地黄丸」など
主力製品を生産する北京工場の平均稼働時間は
約10時間/日と余裕があるため、生産構造を改善することは可能。
また、「黄明コウ」「鹿茸コウ」「鹿角コウ」などを生産する
唐山工場が今年6月から稼働したほか、
北京の大興区に新工場を建設する計画もあります。

(3)ヘルスケア及びスキンケア市場への進出:
同社は滋養強壮を目的とした保健飲料「阿コウ」の生産を
2008年に開始。

昨年の売上高は10年比80%増の9000万元に達するなど、
業績への寄与度は着実に増大しています。
また、60%の権益を保有する『同仁堂麦爾海』を通じて、
スキンケア市場に参入。
『同仁堂』のネームバリューを武器に、
徐々にそのシェアを広げています。


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2012年8月27日(月

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