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          第45回 
          縦割り組織にご注意! はまった落し穴−その1 
        中国の官公庁は、 
          日本のそれ以上に縦割り組織であるということを 
          しっかりと認識していないと、本当に痛い目に遭います。 
          私も何度となく痛い目にあって、 
          少しずつ事前回避する経験を積んできました。 
          実際に私が体験した事例をご紹介します。 
          縦割り組織事件はQ's CAFEの2号店を出店する際に起きました。 
          中国での出店の手続きは 
          簡単に述べると以下の通りとなります。 
        1.工商局へ分公司(支店)の仮申請をし、受理してもらう  
            ※その時点で工商局はどこで何をするか知っています。 
          2.消防局へ内装の図面を渡して工事認可をもらい、 
            工事完了後に検査 
          3.衛生局へ内装の図面を渡してチェックしてもらい、 
            工事完了後に検査 
          4.環境局へ営業届けを行い、認可をもらう 
          5.1から4の書類をもって工商局へ出向き、 
            正式な営業許可書をもらう 
        《はまった落し穴−その1》 
          落し穴にはまったのは、1の工商局へ仮申請をして、 
          認可の書類を受け取った時でした。 
          私はこの時点で、何の問題も無く 
          珈琲・パン・ケーキを製造販売するQ's CAFEを 
          物件予定地であるマンションの1階に 
          出店できると思い込んでしまったのです。 
          ちゃんと工商局の印鑑が押印してある申請書の受理書が 
          手元に有ります。 
          受理書には 
          “○月○日までに工事を完了させ、 
          他の検査合格書と共に提出すること” 
          と記載してあります。 
          ビルの開発業者も、テナントの大家も、 
          手続きに行った工商局、消防局、衛生局の人も、 
          誰一人として気付きませんでした。 
          物件の上層階に住居がある場合は、 
          食品の製造ができなくなったという事を、、、。 
          “真上”に住居があると食品の製造ができないということは、 
          私も周りのスタッフも知っていました。 
          しかし、環境局の新たな通達で、 
          2階、3階が非住居の施設であろうと 
          上に住居があれば食品の製造ができないという 
          厳しい内容に変っていたのです。 
        その情報を誰一人としてキャッチできませんでした。 
          環境局の担当者は 
          “工商局が受理していても、 
          衛生が受理しても駄目なものは駄目だ!” 
          の一点張りで、現地での製造を諦めざるを得ませんでした。 
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