新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第95回
安心・安全・高品質を求める時代へ

9月28日に北京の右安門に
イトーヨーカ堂右安門店が新規オープンしました。
この新規オープンに伴いまして
当社のパン・ケーキショップである
“Q's CAFE&ロアモンド”も
テナントとして同時オープンいたしました。

約1ヶ月ほど前に、
同じくイトーヨーカ堂の
アジア村店へ出店したばかりでしたので、
相変わらずスケジュールはおしてしまいましたが、
大きなトラブルもなく無事に開店までこぎつける事ができました。
この右安門は、以前は城壁であった
環状2号線沿いに位置しており、
故宮から見ると南西に位置します。
ちなみに左安門という地名もあり、
これはご想像通り南東に位置しています。
城門があった場所は古くからの関所跡なので、
新旧が入り混ざった面白い世界を作り出しています。
右安門の周囲にも、回族街や書道街など北京でも有名な
“老北京”が残されている場所が多々あります。

私も、内装工事の時間の合い間を見つけて、
イトーヨーカ堂右安門店の付近を散策しました。
散策に出掛けて1分もせずに、
なぜイトーヨーカ堂が
右安門のこの場所に出店を決めたのかがわかりました。
通りからは見えないのですが、
向かいの小道をちょっと奥にそれると、
そこには巨大な市場がありました。
肉、野菜、日用品、家具、衣料品と
分野ごとに体育館のような平屋の棟が分かれているのですが、
それは郊外やちょっと安い市場で見かけるような、
個人経営の店がいくつも集まってできた巨大市場でした。
平屋の建物も年季が入っていますので、歴史はありそうです。

しかし、土曜の昼下がりというのに、買い物客も疎らですし、
何よりテナントの空きが目立ちます。
理由は一目見れば分かります。
街からお客が減ったのではありません。
お客がほしいものがもはやこの市場にないのです。
従ってお客が離れていき、
それによってテナントの店仕舞いも加速しているのです。
肉類の市場では、各テナントの軒先に
まだ暑さを感じるというのに、
生肉が塊でドカンと常温で置かれています。
もちろん回りにはハエがブンブンと飛び回っています。
ひと昔前の北京であれば、
安さを求めるお客でこの市場も賑わっていたのでしょう。

しかし、時代は変わったのです。
この辺りに住むことができる人達は富裕層が多いでしょうから、
安全で安心して食べられる食材、
利用できる商品を求めているに決まっています。
イトーヨーカ堂のオープンで
この市場の将来ももはや決まったように思えました。
急速に時代は変わっているのです。


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2007年10月4日(木)

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