新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第98回
いかに中華スタイルにカスタマイズできるか

日本に留学経験のある中国人に
「日本の中華料理はどう、美味しい?」と尋ねると、
基本的には「いや、あまり好みじゃないですね」
という答えが返ってくることが多いのではないでしょうか。
どちらが美味しいかは別として、
正直、私も日本の中華と中国の中華は別物だと思います。

ちなみに中国に八宝菜はありません。
時々どうしても食べたい時は、
"日本の中華料理" を出している日本料理屋にいきます。
最近よく思うのですが、
"本場の味"にあまりにもこだわって、
視界が狭くなってしまうのは非常に危険なことです。
確かに、内装にも相当なお金をかけて、
その分野のトップクラスの"本場"の味と料金の店であれば、
それなりに評価されて賑わうと思います。

例えば、北京の日本料理屋で
行列のできる有名なお店がありますが、
オーナーは残念ながら? 日本人ではありません。
アメリカ人です。
また、行列を作っているのは日本人ではなく、
当然、ご当地の中国人です。
私達日本人から見ますと
内装も日本料理屋の内装ではありませんし、
音楽もロックな感じです。
料理も創意工夫が随所にみられますが、
気難しい日本料理の職人さんがみれば
「こんなの日本料理じゃねぇ!」
と怒鳴り声が聞こえてきそうです。

しかし、ビジネスとして捉える以上、
どんなに"本場"に忠実であったとしても、
やはり売れなければ意味がありません。
私もそうなのですが、
どうしても"本場"の味を知っている方々の声が耳に入ってきたり、
また自身の固定概念に縛られてしまい、
思い切った行動がとれない場合が多くあります。
しかし、街を歩いたり、実際に噂の店に行ってみると、
ほぼ80%は"本場"の味やスタイルを
中華風にカスタマイズしたビジネスモデルです。
これが出来ないお店は、
閑古鳥が鳴くことになる可能性が非常に高くなります。

たまに、本格インド料理や、本格ロシア料理などで
流行っているところもありますが、
よくよく見るとそれぞれ
インド人のお客とロシア人のお客で賑わっているのです。
それでもいいのかもしれませんが、
中国でビジネスをやる以上、
やはり中国人にお客になってもらわない限り、
爆発的に売れるようになる可能性はありません。

"カギ"はいかにして、中華スタイル、
中国人のお客様に喜ばれる商品に
カスタマイズできるかではないでしょうか。


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2007年10月11日(木)

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