新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第99回
チャイニーズドリームへの道は険しい

先日、手持ちの現金を定期預金にするべく
工商銀行へ行ったところ、
1年物の定期の利率が3.8%になっていました。
昨年はまだ2%台だったので、急速な上がり方です。
当然ながら、以前の定期もお得な分は銀行に確認して
再度積み直しました。
預金利率が上がっているということは、
当然ながら貸出し金利も上がっているということです。
ちなみに、昨年、銀行に尋ねた段階でもすでに7%以上でした。
恐らく今はそれ以上でしょう。

その週末に、
北京の主なショッピングモールを見て周ったのですが、
テナントの入れ替わりの激しさに本当に驚きました。
北京の銀座と言われる王府井に隣接する場所に、
東方新天地という大型商業施設があるのですが、
この施設のテナントも
少なくとも3分の1は入れ替わっているように見えました。
特に入れ替わりが激しいのが飲食店のテナントです。
私も、2年ほど前に
この東方新天地への出店を考えたことがあり、
商業施設の責任者である
林総経理に案内してもらったことがありましたが、
その頃にあったお店の半分以上は別のお店に変わっていました。

誤解のない様に説明しますと、
この東方新天地は北京でも屈指の集客力を誇る
物凄い商業施設です。
ここに出店すれば、お客は必ず来ますし、
北京に数店舗あるようなチェーン店であれば、
恐らく"東方新天地店"が
売上げの数字を一番上げているのではないかと思います。
では、なぜそんなに売れるのに
テナントの入れ替わりが激しいのか。
理由は簡単です。

家賃が高すぎて、
飲食ではどんなに売っても利益が残らないからです。
なので母体の小さい力の弱い企業から順に、
入れ替わっているのです。
また、賃貸契約の更新時の家賃値上げに対応できずに
去っていく企業も多いと思います。
ここに入りたい企業なんて、
外資系を中心にいくらでもあります。
大手企業からすれば、東方新天地への出店は
広告費の一部として捉えることもできますので、
出店の価値は十分にあります。
しかし、他の商業施設では
シャッターを下ろしたままのお店も数多くあり、
日々の廃業の数は私達の予想以上に多いのではないでしょうか。

銀行借り入れが10%近い金利のなかで、
利益を残すことは容易なことでありません。
何もせず、素直に4%の利子をもらうほうが、
よっぽど効率がいいビジネスだなんて笑えない話も
耳に入ってきそうな感じです。
チャイニーズドリームへの道のりもなかなか厳しいものですね。


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2007年10月13日(土)

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