第316回
反日デモは収束、火種は今後の靖国か?

5月9日の第314回で、
反日デモ及び関連の騒動について、
収束に向かうのではないかと指摘しました。
実は、その原稿は
ゴールデンウィーク前に仕上げたものですので、
その時点において、
5月1日と4日などに
大規模なデモが再発する可能性は
捨てきれませんでした。

ただ、現実問題として、
5月に入っても、大規模なデモは起きず、
中国政府当局の必至の抑え込みが
メディアを通じて伝わり、
結果的には、それが奏功したようです。
どう考えても、騒動の非自体は中国にあり、
これ以上、日本を刺激することは、
当然、中国政府にとって得策ではなく、
今回の中国政府の押さえ込みは、
その個別の具体的なやり方はともかく、
全体としての外交方針としては
正解だと思われます。

一方で、今回の騒動は
決して一過性のものではありません。
今後夏に向けて、
どうしても小泉首相の靖国神社参拝が
話題になるはずです。
これで、何ら配慮もせず、
小泉首相が靖国神社を参拝するようなことがあれば、
ぶり返す可能性は大きいですし、
それは、日本の外交方針としても、
かなり問題のあるやり方と
いわねばならなくなるでしょう。

私個人としては、
首相が靖国神社参拝すること自体、
大きな問題ではないと思います。
個人の信仰の問題もありますし、
一国の首脳の行為としても、
限定付きで認められると思います。
ただし、やはり一国の首脳としては、
国内の状況と国際政治、外交など
あらゆる要素を考慮しなければならず、
それらの問題をすべてクリアすることが
「限定付き」となってきます。

まっとうな交渉において、
中国や韓国に気を遣う必要はありません。
一国の首脳として、政府として、
堂々と外交交渉をすればよいだけの話です。
ただ、それを明らかに回避しているところにこそ、
靖国神社参拝問題の根本が
見え隠れしているといえます。

小泉首相に限らず、
ほかの国会議員などが靖国神社を参拝しても、
中国のメディアでは一斉に取り上げます。
小泉首相が参拝すれば、3日間はトップ記事扱いです。
中国において、靖国神社の問題は、
我々が考えている以上に幅広く伝えられています。
それがメディア操作かどうかは別としても、
それだけ、中国の一般の国民でも
注目していることであることは間違いない事実です。
このことは、あまり知られていないことですが、
それだからこそ、
改めて考えなければならないでしょう。

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あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
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2005年5月11日(水)

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