第392回
顧氏騒動:巨大不良債権残した「徳隆」の二の舞も

グリーンクール(8056)の顧雛軍氏が
逮捕されるという事件を巡って、
憶測や風聞を含めて、
現地でもいろいろと情報が錯綜しているようですが、
以前の徳隆グループの事件との類似性は
気になるところです。

徳隆グループは、
ある民間企業家が、
買収を重ねることで事業を巨大化させ、
グループ各社が複数の銀行から
借り入れを行っていましたが、
様々な原因によって、徳隆グループは崩壊、
グループ各社による
銀行からの借り入れが不良債権化し、
その不良債権の処理に関する報道は、
たまに現在でも聞かれるほど、
大きな事件になりました。

グリーンクールの顧氏も、
中国でも屈指の民間企業家として、
国有企業における
民間資本の参入という改革の波に乗り、
買収を重ねて、
顧氏は複数の上場企業を含む
多数の企業を束ねる経営者にまで上り詰めました。
そうした背景があって、
今回の逮捕劇となりました。

グリーンクールや
広東科龍(ケロンエレクトリカル、0921)を含めて、
関連会社は逮捕後、
顧氏との関係を絶つよう上層部人事を刷新、
経営再建に乗り出しています。
必ずしも徳隆グループの二の舞になるとは限りませんが、
顧氏グループによる銀行からの借り入れが
不良債権化する可能性を
完全に否定することはできません。

決算発表を行った交通銀行(3328)は、
中国第5の商業銀行です。
同行によるグリーンクールへの貸付金は
総額で44.5億元となっているようです。
繰り返しますが、この一部、
あるいはすべてが不良債権化するとは限りません。
そうした兆候も、現在までのところ、
確認されていないようです。
しかし、リスクがあることは間違いありません。

顧氏グループによる銀行からの借り入れが
不良債権化する可能性もある中で、
将来的に、「グリーンクール・ショック」が
銀行各行を襲うことも十分考えられます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年8月25日(木)

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