夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第5回
夜の銀座のブランド戦略

銀座のクラブホステスが高収益を得られるのは
「銀座」というブランドの力も大きいです。
「銀座」という言葉には、高くても良いものという響きがあります。

なぜ、ブランドが大事なのかというと、
ブランドは、伝統や職人気質に支えられた
高い品質やサービスを意味するので、
その顧客になるだけで幸せな気分になれるからです。

また、ブランド力があれば優秀な人材を確保することが容易です。
従業員は無名の企業よりも
ブランド力を持っている企業やお店で働くほうが、
夢と誇りをもつことができ、プライドが培われるので、
自分の仕事に対する責任感や姿勢が違ってきます。
だから、夜の銀座で働くホステスも男性スタッフも
数年で変身していくのです。

高級ブランド品の特徴にバーゲンセールをしないことがあります。
バーゲンセールは商品価値が落ちているということです。
銀座のクラブホステスも
安売りをすると商品価値が落ちてしまいます。

たまに夜の銀座で次のような光景をみかけます。
お客様によほど下品に口説かれたのか、
ホステスが「わたしは、そんな女じゃないわ!」と怒り、
男性スタッフも「当店はそのようなお店ではございませんので・・」
とお客様をたしなめて謝っています。

わたしは、この対応はおかしいと思います。
お酒を飲ませて男性の理性を飛ばしておいて、
そんな言訳が通用するとは思えません。

ホステスは、芸者さんのように芸事を披露できるわけではないので、
本人そのものが資本です。
ですから、その資本を使って収益をいかに最大化できるか、
というのがこのビジネスの本質だと思います。

わたしは、口説かれたら
「ありがとうございます。
でも、購入費とメンテナンスの維持費はかなりかかりますが、
よろしいでしょうか」
と確認していましたが、辞退されてしまう方がほとんどでした。

夜の銀座では夜ごと疑似恋愛が繰広げられています。
外国のお客様から、
「高いお金を支払って、何もできないことに納得できない」
と言われることも多かったのですが、
大人のプラトニックは淫靡なのです。

現在、安くても良いものが沢山あります。
高級ブランドは、その対価に見合うような品質とサービスの提供を
さらに高めていかなくてはなりません。

長引くデフレでお客様達は「粋に遊ぶ」、
働くホステス達の給料システムは高度成長期のままであり、
店は売上の損失を補うためにノルマを増やすので
「誇り」を維持していられない、
というホステスの声も多くなりました。

今、問われているのは
「自分がそこで働くことの存在感や使命」だと思います。
それがわからない(教えない)から、何を学べばいいのかわからず、
「誇り」を持って踏張ることもできず、安易な方に流れてしまい、
厳しいことから目を背けたがるのだと思います。

是非とも顧客第一で頑張ってもらいたいと思います。


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2010年6月15日(火)

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