夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第6回
なぜ、銀座のクラブの飲食代が高いのか

銀座のクラブの飲食代について、
「座るだけで4万円、
ボトルを入れたら8万円以上もする高い飲食代金を、
どうして客は支払うのだろう」
と疑問を持たれる方も多いと思います。

「銀座」というブランドがあるにしても、
原価とサービスから考えればあまりに高い金額です。
それは、日本独特のビジネス習慣と関連が深いのだと思います。

外資系企業は、最初から企画や製品のアピールの予算枠が公開され、
プレゼンテーションの機会が「公平」に与えられて
競いあったうえで決ります。
しかし、日本企業は有益な情報を
公平に公開しないことが多いようです。

そうなると、担当者と親密な人間関係を築いていなければ、
具体的な情報を教えてもらえません。
そこで、企業の担当者同士が
人間関係を築くための場所が必要となります。

そうした場所として銀座のクラブは最適です。
都心にあり地理的な条件もよく、
一流クラブで働くホステスやスタッフは
守秘義務を徹底的に教育されているからです。

こうして、世界でも類を見ない、
女性が夜の酒場でお客様の側にいるだけの接客で
高い代金をもらえるという
不思議なビジネスが成立っているのです。

外国人のお客様にチャージについて説明すると
説明すればするほど、顔色がどんどん変わっていきます。
しまいには
「日本企業がこんな高い料金を支払っているのは、
このクラブを使ってマネーロンダリングをしているのか?」
と質問されたこともあります。

夜の銀座は高度成長の象徴のようなものかもしれません。
京都のように芸事を披露できない分、ホステスの個性が勝負であり、
ビジネスの視点や人脈作りの場を提供してきました。

しかし、グローバル化している現在では、
働くホステスの大半は英語も話せず、
海外の大事なお客様を接待することもできず、
ビジネスモデルが劣化しています。

夜の銀座も「昔ながらの」という言葉に逃げて怠慢な経営が続けば、
ビジネスモデルは劣化して衰退していきます。
どの時代もニーズにあったサービスや商品を提供している企業だけが
生き残っていくのだと思います。


←前回記事へ

2010年6月19日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ