夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第11回
グローバリゼーションとインターナショナルの違い

現在、地球上の互いに遠く離れた株式市場は、密接に連関し、
お金は国境を越え、地球全体を瞬時に駆巡っています。
その結果、世界各地の株式市場は一つの株式市場であるかのように、
株価が同時に上がり同時に下がることを繰返しています。

グローバリゼーションの語源は、
英語で「地球」を意味する「グローブ」です。
中国語では、グローバリゼーションを「全球化」と訳しています。
うまい語訳だと思います。

グローバル化が進むと、
人々の思考や行動も「地球」を単位とするようになり、
国というものは相対化されてしまいます。
資本は国境を越えて最大の利益を求めて地球上を移動していきます。

多くの個人投資家の方は、
グローバリゼーションをインターナショナリゼーション(国際化)と
イメージを重ねているように思えます。
グローバリゼーションとインターナショナリゼーションは違います。

サッカーを例にとると「ワールドカップ」は国際的な大会で、
「チャンピオンリーグ」はグローバルな大会です。

ワールドカップは、各国の代表チームの対抗戦です。
監督やコーチの国籍には制約はありませんが、
選手は全員、その国の国籍を持っていなければなりません。

対して、チャンピオンリーグは、
各国のサッカーリーグで優勝したクラブチームの対抗戦です。
選手の国籍に制限はありません。
世界中から優れた選手を集めて構成されており、
クラブチームという企業が単位です。

別の表現をすれば、
オリンピックは各国を代表する選手や団体が競技しますから
国際化されたスポーツ大会です。
対して、自動車のF1レースはグローバルな自動車競技です。

F1レースは、様々な企業が、様々な国籍のメーカーから
部品を調達してレーシングカーを作り、
いろいろな国から採用したドライバーとクルーとが車を走らせて、
世界各地のサーキットを転戦しながら競技を行います。
表彰式ではドライバーの名前が告げられますが、
国旗や国吹の出番はありません。

資産運用も、国を比べるのではなく、
セクターごとに企業の国際競争力を比較して選ぶようにしています。


←前回記事へ

2010年7月6日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ