第12回
分散投資は地域ではなく、セクター
多くの方から「次はどの国が有望なのですか?」と質問されます。
中国の次は、インド、インドの次はロシア・・
とグローバルな回転売買を好む方が多いように思えます。
次は・・と考えるのなら、最初から
北朝鮮ファンドに投資していればいいのではないかと思います。
この数年で実感することは
ポートフォリオを国別(地域別)に分散しても、
騰落の相関が高まっているということです。
一方で、セクター間での相関は、国と国の間よりも低いです。
日本企業の株式で運用するメリットはありますが、
日本企業だけで運用するデメリットもあるわけです。
セクターごとに、日本企業の優位性は異なります。
例えば、ソフトウェアにおいては、
日本にはマイクロソフトやIBMのような
世界的な販路とブランド力を持つ企業はありません。
ヘルスケアの分野でも、
武田薬品は日本ではエクセレント・カンパニーですが、
国際市場では、ノバルティス、ファイザー、ロッシュといった
巨大企業を追い抜けません。
世界のオイル・メジャーといわれる企業には、
日本企業の名前はなく、むしろ国際市場でみれば
中国のペトロチャイナやブラジルのペトロブラジルのほうが
知名度や売り上げがあるかもしれません。
資源セクターにおいてもBHPビリトンやリオ・ティントのような
川上企業は日本にありません
国際分散投資とは、地域を日本以外に
米国、欧州、中国、インド・・と分散するのではなく、
セクターごとに
世界で最も競争力がある企業に投資した結果です。
例えば、iShares S&P Global 100 Index(IOO)(※1)というETFは
エクソン・モービル、マイクロソフト、ネスレ、
P&G、HSBC、GE、BHPビリトン、サムスンと
各セクターの代表企業に投資されています。
日本企業はトヨタ自動車が組込まれています。
安定した資産運用なら、投資先が破綻しないこと、
次に常に売却が可能なことがモットーです。
日本企業へ投資するにも、
世界の大きな資金(とりわけ年金を運用するファンド会社)は、
各セクターにおいて国際競争力がある日本企業へ投資しますので、
海外のセクター別ETFの投資先を見るのも参考になると思います。
※1
http://quicktake.morningstar.com/etfnet/Holdings.aspx?Country=&Symbol=IOO
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