夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第14回
リターンはリスクをとったご褒美

夜の銀座のホステスの商品価値は、
売り上げの結果がすべての徹底した成果主義の世界です。
タイムカードが並ぶ順番も、
ミーティングで名前を呼ばれる順番も、売り上げ順です。

普通の会社のように年功序列はなく、
勤務態度の真面目さが評価されることもありません。
夜の銀座は過酷な競争の場です。

しかし、夜の銀座での競争は完全に自由でフェアです。
ホステスは学歴や美貌に関わらず
平等にチャンスが与えられています。
売り上げの上限はありませんから、
お客様の飲食代を
回収できなくなるかもしれないというリスクをとれば、
お給料というリターンを上限なく増やすことができるのです。

かの有名なマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏は
「リスクをとらないことがリスクだ」とおっしゃいましたが、
銀座のホステスは、
お客様の飲食代金の35%〜40%がお給料ですので、
100万円のお給料を得ようと思えば、
250万円の未回収リスクを請負うことになります。

売り上げをアップする方法はホステスの自由裁量です。
お中元、お歳暮、バレンタインデー、昇進祝い、
お誕生日のプレゼントはすべてホステスが個人で負担します。
つまり、どのお客様にどれだけの経費をかけるかは、
ホステス個人の裁量ですので、お客様がクラブで受ける待遇は、
担当(係)のホステスしだいで異なってきます。

たった一人のお客様で
月に500万円の売上をあげるホステスもおりますし、
100人のお客様で500万円の売上をするホステスもいます。
前者のホステスの場合は、
経費は一人のお客様だけなので楽に見えるかもしれませんが、
そのお客様が健康でお仕事も順調であればいいのですが、
そうでなくなってしまえば、
売上がないホステスは戦力外通告を言い渡されてしまいます。

銀座のホステスの仕事は、ハイリスク・ハイリターンですが、
未回収を心配して
守りに徹してしまったら売り上げは伸びません。
はじめてお会いしたお客様がどのような方かわかりませんが、
ご縁を機会として信用することからはじまり、
今後のお付合いをしていくしかないのです。


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2010年7月17日(土)

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