夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第39回
ラグジュアリー企業の戦略

10月28日、29日の香港のワインオークションに参加して、
ワインはオークションで購入するものではなく、
オークションで売却するものだと思いました。

また、中国のワイン市場は、通常とは異なる要因によって、
価格が押し上げられている側面がある
と思います。

Ch Lafite は、サザビーズの香港のワインオークションで
絶大なる人気に応えるべく、2008年のビンテージのボトルに
漢字の「八」のデザインを刻印すると発表しました。

写真:THE WALL STREET JOURNAL

Ch Lafite だけではなく、各ラグジュアリー企業も
中国の富裕層に配慮した商品を既に提供しています。
シャネルは今年初めに
中国のデザインを採用したイヤリングを導入しており、
ドイツのBMWは、今年の干支である虎にあやかり
オレンジ色の虎の頭をかたどったヘッドレストが装備された
タイガーM3を販売しています。

すでに中国で人気を確立している Ch Lafite も
同じ措置をとったようです。
オンラインでのワイン取引サービスを提供するLivExによれば、
2008年ラフィットの刻印が発表されて以降、
同ビンテージ価格は20%上昇しており、
18カ月で500%も値上りをしています。
他の投資商品でこれだけのリターンを確保できる
投資対象を探すことは困難
です。

ワインオークションでも司会者が
「たったの2万ドルからのスタートです」と言ったように、
1ケース(12本)を2万ドルが高額でない人達がいるのでしょう。
日本のモノサシで考えてはいけないのかもしれません。

この熱狂ともいえるオークション結果は、
一過性のブームなのかの判断は難しいですが、
ワインはグローバルな商品であり、高級ワインへの需要は、
富裕層の増加や生活の向上とともに拡大していき、
他のボルドーワインも値上りをしていくように思えます。

わたしも、ワインを保有しています。
香港は酒税がないため、香港で購入し、
サザビーズなど国際的なオークション会社が提携する
香港のワインセラーにそのまま保管をしています。

ワインも資産として考えるのなら、
売却ができる(Exit)を考えておかなくてはなりません。
香港のアセットマネジメント会社は、
ワインを資産運用として保有する投資家が増えていることから、
オークション以外にレストランに直接卸すルートなど
様々な売却手段があります。

香港へ行くと、アジアの富裕層の資金動向に敏感に対応していく
たくましさをいつも感じます。


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2010年11月6日(土)

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