夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第43回
ETF インフレに対応した投資先

前回、ETFについてお伝えしましたが、
銀座の資産家のお客様は
債券やリアルアセットに興味を持っています。

リアルアセットといっても、
もともと日本の富裕層の方は
不動産で財をなしていらっしゃる方が多いので、
不動産以外では、運用規模の大きく、利回りが確定している
債券ファンドやコモディティETFに興味を持っており、
株式や償還の規制があるヘッジファンドに
興味を持っている方は少なくなったと思います。

債券ファンドで人気があるのは、
投資適格以上(BBB以上)の社債やインフレ連動債、
そして米国最大の運用規模のPIMCO Total Return Fund
(運用規模は2560億ドル)のような投資先が多いです。

PIMCO Total Return Fund は、わたしも保有していますが、
リスクに対して収益をみる指標である Sharp Ratio は、
3年で1.95 と高く、安定した投資先に思えます。
(現在の利回りは 2.82%)

コモディティ(商品)は、
金価格に連動する金ETFを保有している方も結構おります。
米ドル建てのSPDR Gold Shares(GLD)だけでなく、
豪ドル建ての金ETFへの関心もあり、通貨も分散させています。

SPDR Gold Shares(GLD) は、
米国のETFでは S&P500(SPY)に次ぐ運用規模であり、
ロンドンの金庫には600億ドル相当の金地金を保有しています。
NYSE Arcaはじめ、各国の証券市場に上場しています。
このETFに対応する金の現物は、HSBCに保管されており、
管理会社は
ワールド・ゴールド・カウンシル(WCC)が行っております。

現在の金価格の上昇は、
金ETFの存在を抜きには語れないと思います。
310億ドルの運用規模の
ヘッジファンド大手のポールソン・ファンドや
ソロスファンドもGLDの保有高を昨年から増やしております。
ポールソン・ファンドが保有するGLDの保有高は、
オーストラリアの金準備を上回る水準です。

現在の金の採掘コストからみれば、
金価格が今後も1000ドル以上で推移するならば、
産金企業株式の株価の上絵余地もあるように思えます。

メジャーな産金企業株式に投資する
Market Vectors Gold Miners(GDX)や
産金企業の小型株に投資する
Market Vectors Junior Gold Miners(GDXJ)なども、
ETFで容易に投資できるので面白いかもしれません。

資産家の方は、株式で大きなリスクをとる必要がなく、
インフレに対応した投資先と利回りに注目しているようです。





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2010年11月20日(土)

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