夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第46回
お金は使い方も大事

お店にいらっしゃるOLのお客様達は、
わたしも含めて銀座で働く女性は
高級取りだと思われている方が多いです。

確かに、お給料の額面は同世代のOLさん達よりも多いのですが、
着物、美容院代、交通費はすべて自腹ですから、
経費という出費も多いのです。

それに、お酒を飲過ぎて身体を壊しても、
個人自営業者という立場ですので労災などありませんから、
これも自腹です。
また、水商売は世間の信用が低いので、
部屋を借りるのを一苦労です。

先日、クラブ時代の後輩ホステスが、
苦労して借りたマンションの大家さんが、
いつも嫌みを言うので耐えられない!
といった愚痴を言いにきました。

わたしが、
「家賃を2日前に振込みすれば、大家さんの機嫌もよくなるわよ」
と言うと、「そんなことで嫌みが減るのかしら?」
と疑心暗鬼でしたが、
家賃を期日の2日前に振込んでいると、
大家さんの嫌みはなくなり、
機嫌よく挨拶をしてくれるようになったというのです。

お金は使い方に品性がでると思います。
他人がみて、その人がカッコいいというのは、
お金を稼ぐことではなく、「使い方」なのです。

銀座のお店でも、ご飲食代金のお支払方法は、
現金、カード、ツケと様々です。
お店としてはどのような支払い方法でも有難いのですが、
長年銀座で飲まれているお客様は、
「カード手数料も大変だろうから、
請求書を送ってくれたら、すぐに支払うよ」
と言われる方もおります。

「金持ち」と「お金持ち」の違いは、
「お金を使って社会や他人のために何をするのか」
というビジョンの有無だと思います。
香港で最大の富豪と自他ともに認められているのは、
長江財閥の創業者であり総帥である李嘉誠氏です。

香港では多額の寄付をしないと、
「大人(ターレン)」と呼ばれませんし、
世間から尊敬されません。
李嘉誠氏は、学校や病院に
多額の寄付をしていることでも有名です。
わたしが香港大学を見学した際に、
一番立派な校舎は、李嘉誠氏が寄付したものでした。

自分の欲求や見栄のために使ったお金は殆ど戻ってきませんが、
他人や社会のために使ったお金はまたはいってくるものです。
「お金持」はこの不思議な現象を理解しているので
多額の寄付をしているのかもしれません。





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2010年11月30日(火)

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