夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第53回
低成長時代の投資戦略

2010年の資産運用は、一言でいうのなら
ボラティリティ(変動性)が高い年だったような気がします。
昨年の年末にかけての株式上昇は、
11月に米国が量的緩和第2弾を決定したことによる
影響は大きいと思います。

先進諸国は、日本のデフレの二の舞にはなりたくないようです。
デフレになれば、物の価値は下がりますが、
物価に合わせて賃金は据置きどころか下落してしまいます。
低金利なので、借金は有利に思えるかもしれませんが、
債務の実質価値が上がるため、
結局借金を返済していくのが困難になってしまうと思います。

つまり、急激なインフレも困るけれど、
デフレも困るということのようで、
しばらく低成長(2%〜3%)を続けながら
失業率が低下するのを待つような気がします。

このような低成長の時代は、配当に期待したいところですが、
安定運用の債券は、金利が上昇すれば、債券価格が下がります。
数兆ドルの新規資金を
市場に供給することは好ましくありませんので、
国債は安全な投資先ではなくなりつつあるように思えます。

債券ファンド最大手のPIMCO のビル・グロス氏は、
昨年の10月末に
「FRBの金融緩和策は、30年間続く債券の強気相場を終らせる」
と発言し、旗艦ファンドである PIMCO Total Return Fund も、
10%程度を
優先株式や株式に転換できる社債で運用していくようです。

2011年は、金利と為替の動向に注意が必要だと思っています。
米国の長期債の金利や米ドルが上昇すれば、
新興諸国へ投資されているリスク資産から
資金が流出して新興諸国株式は下がるかもしれません。

リスクを分散しながら、リターンを狙うのには
積立投資がいいと実感しています。
積立投資でインフレにも対応できそうな、
株式ファンドへ投資を継続しようと思っています。
主な投資先は、鉱山関連企業株式、産金企業株式、
穀物関連企業株式、先進諸国小型株、新興諸国の株式、
新興諸国の小型株などに分散しています。

一方、余剰資金はボラティリティを抑えながら、
ETFでグローバル企業の株式と社債、高配当企業株式、
新興諸国の債券、貴金属価格に連動するETN、
先物市場で運用するヘッジファンド、
米国債のショートETFなどに分散して様子をみようと思っています。

積立でアグレッシブに投資し、
一括投資で配当利回りを享受するという2頭立ての投資戦略です。

大きなリターンを短期間で狙うよりも、
守りながら確実に増やしていきたいものです。


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2010年12月28日(火)

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