第56回
昨年の運用成績
箱根駅伝を観ながら、運用のポートフォリオを見直していました。
昨年は、暮れに債券価格が下落したものの、
年間を通じてハイイールド債、エマージング債が好調でした。
これらはクーポン(利息)もあり配当利回りの恩恵も享受し、
新興諸国の株式ETF(グローバル・エマージング・マーケット)の
成績を上回る結果でした。
2010年も MSCI World Index +9.95%を上回り、
金融危機前の水準にようやくリカバリーしました。
最も上昇した銘柄と下落した銘柄は以下の通りです。
米( )内はETFの Ticker Code
ベストパフォーマンス
1)08年 Ch Lafite プリムール 高級ワイン現物 +248%
2)Market Vectors Junior Gold Miners(GDXJ)
産金企業小型株 +66.5%
3)PIMCO Corporate Opportunity(PTY)ハイイールド債 +34.5%
配当利回り 8%
ワーストパフォーマンス
1)ProShares Ultra Short 20+Year Treasury(TBT)
米国債のショートETF -25.7%
2)SHK Corporate Arbitrage Manager ヘッジファンド +5.1%
3)Brandeaux Student Accommodation 英国の学生寮 +7.03%
高級ワインは、この数年では
金(ゴールド)、原油、株式を上回るパフォーマンスです。
シャトー・ラフィットは、欧州と中国で断トツの人気です。
穀物は、ロシアの熱波などで小麦の不作、
ドルの下落で価格は上昇しました。
中国は食料のインフレが続いており、
今年も夏の高温や旱魃で価格が上昇する可能性がありますが、
中国はインフレ抑制に積極的であり、
今年、さらに穀物価格が上昇し続けるとは考えにくいです。
穀物価格は供給だけで決っているわけではなく、
需要は価格によって増減しています。
供給が限定される高級ワインは、中国だけでなくインドでも
「液体のゴールド」として富裕層に人気があります。
ボルドーワインの価格上昇は、
お茶屋BARの仕入れで実感をしています。
既にグレートヴィンテージと云われる
2000年、2005年の第1級シャトーは、高いどころか、
日本に在庫が少ない状況です。
現在、カリフォルニアから、オーパス・ワンのセカンドである
Overture を直接輸送してもらい提供しています。
今年の株式市場は好調なスタートでしたが、
中国のインフレリスクと米財政赤字のどちらがより深刻になるか、
米債利回りがいつ市場のリスクを織り込んで上昇し始めるのかが
ポイントとなりそうです。
(今年の戦略と注目銘柄は次回)
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