夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第59回
なぜ、体育会系を企業は好むの?

先日、某経済雑誌の編集長だったお客様とお話をしていて、
「なぜ、日本の企業は体育会系の人材の雇用を好む?」
という会話になりました。
実際に、わたしが企業で働いていた時も、
新卒の研修で名刺を持って飛び込み営業をしたり、
五円玉を糸でつるして、右に動く、左に動く・・といった、
自分に強い思いがあれば願いは叶うといったことをしていました。

「なんか、違うのじゃないかな・・」と思って周りを見回すと
5円玉がすごく動いていたので驚きました。

そのお客様達は、
「企業が体育会系の人材を好むのは、
理不尽だと思っていることでも、やる人が多いからだ」
とおっしゃいました。

わたしが、
「なぜ、理不尽だと思うことをやらなければいけないのですか?」
と尋ねると、お客様達は
「理不尽だという事を知るためだから」とおっしゃいました。

最初は、意味がわからなかったのですが、
「理不尽なことでも、徹底的にやってみて、
それでもトップになれば、
これまで強いられてきたことは理不尽だと言える」
とおっしゃいました。

このお話はなるほど・・と思いました。
自分が中途半端な状況で相手に何か伝えても、
それは愚痴や文句になってしまうのだなと思いました。

わたしも、銀座のクラブで理不尽だと思うことは多々ありました。
例えば、クラブの周年パーティーの3日間は
ホステス全員が同伴出勤のノルマがあります。
「ノルマはいいけれど、席数が15卓しかないのに、
35人全員がお客様と同伴したら、
座れないお客様がいるので、おかしい!」
と毎年、ミーティングでクレームをつけていました。
しかし、お店側は「大丈夫だから」
と根拠のないことばかり言うだけでした。

その後、わたしが そのクラブでNo.1 になったときに、
これまでまったく聞きいれてもらえなかったことの数々が、
手のひらを返したように
スタッフに聞き入れてもらえたという経験をしたことがあります。

理不尽だと思うことでも、周りを納得させるためには、
そこで頂点を極めるなど、
結果をだして初めて意見を聞いてもらえるのでしょう。

実際に自分が望むことや正しいと思っていることと、
違うことを継続するのは、つらいことです。
けれど、それに耐える精神力を培うという意味でも、
企業は敢えて理不尽な研修をするのかもしれません。

自己保身からくる主張は、相手と戦っても負ける事が多いですし、
よくて衰退です。
攻めるのは、徹底的にやらないと駄目なのだな・・と思いました。





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2011年1月22日(土)

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