夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第62回
創業者の憂鬱

先日、企業コンサルタントの方が深い溜息をつかれており、
クライアントに説明するのに
時間が思ったほどかかっているとのことでした。
中小企業のお客様はどこも大変ですが、
企業コンサルタントの方曰く、
多くの原因は「人材」を入れ替えることで解決できるそうなのです。

中小企業の社長は、優秀な人材が必要だと思っていても、
苦楽をともにした方達をさしおいて、
新しい人材を雇用することに躊躇されています。

このことをお伝えすると、企業コンサルタントの方は
「日本は、どうしても役職で報酬が決定するため仕方ない。
実際には、会社に功労した人達には、
退職金の積み増しなどで解決できることもある」と言われました。

海外では、Apple の創業者であるスティーブ・ジョブス氏が
病気療養のため休職するニュースが流れると、
Apple の株価が下落しました。
ジョブス氏は、95年に同社のCEOを追われ、
96年に業績不振で瀕死のApple に復帰しました。
その後の iPod、iPhone、iPad と画期的な商品を提供し、
世界で最も時価総額が大きいテクロジー企業になりました。

企業として存続していくには、
創業者がいなくなっても成長を継続するための
後継者やスタッフの存在がその後の明暗をわけるので、
偉大な創業者ほど、後継問題に頭を悩ませると思います。

わたしが初めてお店をオープンする時に、
ある創業者の方から次のようにアドバイスをいただきました。

「人を雇用する時は、“一生懸命に頑張ります!”という人よりも
“自分はこれが出来る、したい”
とちゃんとビジョンを持っている人を雇いなさい」

「仕事は教えれば覚えられるが、人としての気遣いや優しさは、
教えたり、覚えて備わるものではないので、人としての素質が大事」

10年間勤めたクラブのママは、
「世の中、いい人間関係が全てですよ」とおっしゃいました。
良い話も悪い話も人から伝わってくるで、その通りだと思います。

経営者として、
自分がいなくても存続できるスキームにするためには、
いい人間関係をこれからも築いていかなくてはならないと
思っています。





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2011年2月1日(火)

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